10ギガ対応のLANケーブルは、大容量データの高速通信を実現する次世代ネットワークの重要なアイテムです。
4K・8K動画のストリーミングやオンラインゲーム、大容量のファイル転送など、高速通信が求められる場面で真価を発揮します。
1ギガで使っていたLANケーブルは、そのまま使えないの?
1ギガ対応のLANケーブルもそのまま利用できますが、LANケーブルがボトルネックとなり、10ギガ本来のスペックが発揮できなくなります。
そこで本記事では、10ギガ対応LANケーブルの基礎知識や規格の違い、用途に応じた選び方まで、光回線の現役営業マンが解説していきます。
- 10ギガ対応LANケーブルの種類
- 10ギガ対応LANケーブルの選び方
- おすすめの10ギガ対応LANケーブル
10ギガの光回線を利用/検討している人や、1ギガの光回線の通信速度に不満を感じている人は、ぜひ本記事を最後までご覧ください。
筆者のプロフィール
HIRO
マンションオーナーや管理会社向けに、光回線を提案している業界15年目の営業マンです。全国各地の光回線に携わり、業界の最新情報や裏事情などにも熟知。当メディアでは他サイトでは絶対に手に入らない、光回線のお得な情報や裏ワザなどをご紹介します。
10ギガ対応のLANケーブルの種類
LANケーブルには対応する通信速度によって、カテゴリー(規格)が分かれています。
カテゴリー | 最大通信速度 | 伝送速度 | ケーブルの種類 |
---|---|---|---|
カテゴリー5 | 100Mbps | 100MHz | UTP |
カテゴリー5e | 1Gbps | 100MHz | UTP |
カテゴリー6 | 1Gbps | 250MHz | UTP |
カテゴリー6A | 10Gbps | 500MHz | UTP |
カテゴリー7 | 10Gbps | 600MHz | STP |
カテゴリー7A | 10Gbps | 1000MHz | STP |
カテゴリー8 | 40Gbps | 2000MHz | STP |
このうち10ギガ対応のLANケーブルは、以下4種類となります。
- カテゴリー6A
- カテゴリー7
- カテゴリー7A
- カテゴリー8
ここでは、10ギガ対応のLANケーブルそれぞれの特徴を解説していきます。
カテゴリー6A:家庭用に最適!バランスに優れたケーブル
カテゴリー6Aは、10ギガに対応したLANケーブルの中でも、一般的に使われるタイプです。
価格と性能のバランスが良く、家庭やオフィスなどでの利用に最適と言えます。
ケーブル自体に柔軟性があり、配線・設置のしやすさも魅力的なので、迷ったらカテゴリー6Aを選んでおけば間違いありません。
1ギガ対応のLANケーブルと同様の使い方ができるので、カテゴリー6Aに繋ぎ替えるだけで10ギガに対応できます。
カテゴリー7:ノイズに強く、特別な環境で便利
カテゴリー7は、カテゴリー6Aよりも高いノイズ耐性を持つLANケーブルです。
ケーブルにはシールドが施されているため、電気製品の干渉を受けにくいのが特徴と言えます。
外部ノイズが多い工場やデータセンターなどで使うと、安定した通信を実現できるでしょう。
一般家庭の家電製品レベルでは、ノイズの影響は考えなくても大丈夫です。
カテゴリー7A:カテゴリー7の進化版!特殊環境に最適
カテゴリー7Aは、カテゴリー7の性能をさらに強化した規格となります。
帯域幅が最大1000MHzまで拡大されており、より多くのデータを同時に転送できます。
また、ノイズ耐性がさらに向上しており、放送局や医療施設などの特殊な環境に用いられることが多いLANケーブルです。
ただし、コネクタ(差込口)の形状が異なるので、これまでの機器が利用できなくなります。
カテゴリー8:超高速通信に対応した業務用ケーブル
カテゴリー8は、最大40ギガの高速通信が可能な最先端のLANケーブルです。
カテゴリー6Aと比べて2~3倍と非常に高価になりますが、データセンターやサーバールームでは性能を十分に発揮させることができます。
ただし、家庭で使用するには扱いづらく性能が高すぎることに加え、一般向けの40ギガに対応した機器は存在していません。
10ギガ対応のLANケーブルに買い替えるなら、「カテゴリー6A」が最もおすすめですね。
10ギガ対応LANケーブルの選び方
LANケーブルを選ぶ際には、光回線の速度や利用する環境に合わせて選択しましょう。
仮にWi-Fiでインターネットに接続する場合でも、ルーターとONU(回線終端装置)を接続するのにLANケーブルが必要になります。
- 光回線の速度に合わせる
- 必要な長さのケーブルを購入する
- 家庭用ならノイズ対策は不要
光回線の速度に合わせる
LANケーブルを選ぶ基準としては、光回線の最大通信速度に合わせると良いでしょう。
光回線の速度 | 推奨LANケーブル |
---|---|
1Gbps | カテゴリー5e or カテゴリー6A |
5Gbps | カテゴリー6A |
10Gbps | カテゴリー6A |
仮に10ギガの光回線に乗り換えた場合でも、LANケーブルが100メガ対応の場合には、最大通信速度は100Mbpsまでしか利用できません。
そのため、光回線を10ギガに切り替えた場合には、カテゴリー6Aに対応したLANケーブルに買い替えをしてください。
必要な長さのケーブルを購入する
LANケーブルを購入する場合には、接続する機器までの距離を事前に測定しておきましょう。
必要以上に長いLANケーブルを利用すると、距離に応じて信号が弱くなり、通信速度が低下する可能性が出てきます。
また、配線がグチャグチャになるので、見栄えも悪くなってしまいます。
仮に長距離(100m以上)の配線が必要な場合には、中継器(スイッチングハブなど)を利用することをおすすめします。
家庭用ならノイズ対策は不要
電子レンジや無線機器など、強力な電磁ノイズが発生しやすい場所では、STP(シールド付き)のLANケーブルがおすすめと言われています。
LANケーブルの外周にシールドが設けられているため、外部からの干渉を防ぎ、通信を安定させる構造になっているからです。
しかし、シールド付きのSTPケーブルを利用する場合、アース処理が必要になってきます。
アース処理が適切に行われないと、逆にノイズの影響を強く受けてしまいます。
そのため、家庭やオフィスなどで手軽に使いたい場合には、アース処理が不要なUTPケーブルのカテゴリー6Aを選びましょう。
もっと詳しくLANケーブルの選び方を知りたい人は、こちらの記事をご覧ください。
おすすめの10ギガ対応のLANケーブル
LANケーブルには様々な種類やメーカーがありますが、実際に購入する時にはどれがいいのか迷ってしまいますよね?
ここでは、筆者おすすめのカテゴリー6Aに対応したLANケーブルのメーカーをご紹介します。
- エレコム
- バッファロー
- サンワサプライ
エレコム
エレコムのLANケーブルは柔らかく、配線がしやすいことが特徴です。
机の裏や壁沿いなどの狭い場所でも、キレイに配線することができるでしょう。
また、カラーバリエーションが豊富なので、インテリアに合わせて選べる点も魅力的です。
バッファロー
バッファローのLANケーブルは、「ツメ折れ防止」の構造が採用されており、頻繁な抜き差しでも破損しにくく設計されています。
特に、機器の入れ替えが多い家庭やオフィスで使うのに最適です。
サンワサプライ
サンワサプライのLANケーブルは、信頼性が高いのに価格が手頃でコストパフォーマンスが優れています。
LANケーブルの5本セットなど、まとめて購入することもできるので、複数の部屋で利用したい時におすすめと言えます。
10ギガ対応のLANケーブルか確認する方法
LANケーブルには、カテゴリーや種類を見分ける方法があります。
「今使っているLANケーブルが10ギガ対応かどうかがわからない!」という場合には、ぜひお試しください。
- LANケーブル本体を確認する
- インターネットの速さを測ってみる
LANケーブル本体を確認する
ほとんどのLANケーブルには、カテゴリー(規格)や種類が印字されています。
画像のケーブルは「CAT5E・UTP」と表記されているため、カテゴリー5eのUTPケーブルということがわかります。
そのため、10ギガの光回線に切り替えた際には、「CAT6A」と記載されているケーブルを利用するようにしてください。
インターネットの速さを測ってみる
LANケーブル本体にカテゴリーが印字されていない場合には、「Speedtest」や「fast.com」などで通信速度を計測してみましょう。
fast.comなら、1クリックで速度が測定できます。
10ギガの速度実測値は800~1200Mbpsのため、それ以下の数値が測定された場合には、1ギガ対応のLANケーブルの可能性が高いです。
パソコンに接続しているLANケーブルだけではなく、ルーターとONU(回線終端装置)を繋いでいるケーブルも10ギガ対応に交換しましょう。
よくある質問(FAQ)
10ギガ対応のLANケーブルに関して、よくある疑問を5つまとめました。
10ギガ対応LANケーブルはどれが最適ですか?
カテゴリー6AのLANケーブルがおすすめです。カテゴリー7以上のLANケーブルではノイズ対策が強化されていますが、アース処理が必要なため、一般家庭向きではありません。
10ギガ対応のLANケーブルはどこで購入できますか?
LANケーブルは家電量販店、Amazonなどのオンラインショップ、またはパソコン専門店で購入できます。家電量販店では実物を確認でき、オンラインショップでは簡単に購入でき、専門店では詳しいアドバイスを受けられるといったそれぞれの利点があります。
UTPケーブルとSTPケーブルでは通信速度に違いはありますか?
UTPケーブルとSTPケーブルでは、通信速度に違いはありません。主な違いは電磁干渉への耐性で、STPケーブルは金属シールドによってノイズに強く、より安定した通信が可能です。ただし、アース処理をしないと逆にノイズの影響を受けてしまいます。
10ギガの光回線を使うなら、Wi-Fiよりも有線LANの方がいいですか?
10ギガの光回線を利用するなら、有線LANがおすすめです。特に、FPS/TPSなどのオンラインゲームを快適にプレイしたい場合には、有線LAN接続の方が通信の安定性が高くなります。
10ギガ対応のLANケーブルの寿命はどのくらいですか?
LANケーブルの寿命は使用環境と取り扱い方によって大きく異なります。一般的な室内使用で適切に配線・設置された場合、5〜10年程度は性能を維持できます。ただし、頻繁な曲げ伸ばし、強い引っ張り、高温多湿な環境、直射日光への露出などがある場合は寿命が短くなります。
性能劣化の兆候として、通信速度の低下や接続の不安定さが現れた場合は、交換を検討してください。
まとめ:10ギガの光回線には10ギガ対応のLANケーブルが必須
10ギガ対応のLANケーブルを導入することで、インターネットの速度と安定性が、1ギガ対応のケーブルよりも格段に向上します。
仮にWi-Fi接続でインターネットを楽しむ場合でも、ルーターとONU(回線終端装置)との接続には、LANケーブルが必要となります。
10ギガの光回線を契約した際には、10ギガ対応のLANケーブルに買い替えをして、最適なネットワーク環境を構築してください。
10ギガ対応のWi-Fi(無線LAN)ルーターについては、こちらの記事に詳しくまとめました。
コメント