一般的に光回線との接続はWi-Fiが主流になりましたが、オンラインゲームなど安定感が求められるコンテンツには有線接続がおすすめです。
しかし有線接続に必要なLANケーブルも、光回線の速度にあわせて規格(カテゴリー)を変えなければ、速度が遅くなってしまいます。
LANケーブルの選び方って何を基準にすればいいの?
そこで通信会社に勤めるひろぽんが、LANケーブルの選び方と規格(カテゴリー)の違いについて解説していていきます。
- Wi-Fiより安定感が高いLANケーブルでインターネット接続がしたい
- LANケーブルの選び方は何を基準にしたらいいのかわからない
- LANケーブルの規格(カテゴリー)と速度の関係を知りたい
Wi-Fiと同じようにLANケーブルにも規格があるので、注意しましょう!
LANケーブルの選び方①:規格(カテゴリー)と速度の関係
有線接続に必要なLANケーブルには、規格(カテゴリー)が定められています。
規格(カテゴリー)によって最大通信速度が変わるので、LANケーブルを選ぶときには注意しましょう。
LANケーブルの規格(カテゴリー)は、数値が高いほど速度も速い
LANケーブルの規格(カテゴリー)は、数値が高いほど速度も速くなります。
規格 | 最大通信速度 | 伝送帯域 |
---|---|---|
カテゴリー5 | 100Mbps | 100MHz |
カテゴリー5e | 1Gbps | 100MHz |
カテゴリー6 | 1Gbps | 250MHz |
カテゴリー6A | 10Gbps | 500MHz |
カテゴリー7 | 10Gbps | 600MHz |
カテゴリー7A | 10Gbps | 1000MHz |
カテゴリー8 | 40Gbps | 2000MHz |
契約している光回線や通信機器の対応速度にあわせて、LANケーブルを選びましょう。
例えば1Gbpsの光回線でもカテゴリー5のLANケーブルでつなぐと、100Mbpsの速度しか出せなくなります。
規格(カテゴリー)が新しいものを選んでおけば、間違いないですね。
LANケーブルの規格(カテゴリー)の確認方法
LANケーブルの規格(カテゴリー)は、印字された番号や記号で確認することができます。
規格 | カテゴリー名 | 規格名 |
---|---|---|
カテゴリー5 | CAT.5 | ANSI/TIA/EIA -568-B.1 |
カテゴリー5e | CAT.5e | ANSI/TIA/EIA -568-B.2 |
カテゴリー6 | CAT.6 | ANSI/TIA/EIA -568-B.2-1 |
カテゴリー6A | CAT.6A | ANSI/TIA -568-B.2-10 |
カテゴリー7 | CAT.7 | ISO/IEC 11801 |
カテゴリー7A | CAT.7A | ISO/IEC 11801 |
カテゴリー8 | CAT.8 | ANSI/TIA -568.C-2-1 |
今現在ご自宅で使っているLANケーブルの規格(カテゴリー)を、実際に確認しましょう。
パソコンにLANケーブルを挿していない場合でも、ONUとWi-Fiルーターの間でLANケーブルを使っていれば、こちらもチェックが必要です。
1Gbpsの光回線なら、カテゴリー6以上のLANケーブルがおすすめです。
LANケーブルの選び方②:素材と形状の違い
LANケーブルを選ぶときには、使われている素材や形状も考慮する必要があります。
外部から影響を受けづらい素材や踏みつけに強い形状など、使う環境によって選びましょう。
UTPケーブル
UTPケーブルは一般的なLANケーブルになり、誰もが1度は見たことがあるでしょう。
家庭内で使うLANケーブルなら、基本的にUTPケーブルを選んでおけば問題ありません。
しかし外部からのノイズをカットできるシールド加工がされていないため、周辺機器の影響を受けてしまいます。
家庭内では通信に影響を及ぼすノイズも少ないので、UTPケーブルで十分です。
STPケーブル
STPケーブルは、UTPケーブルには施されていないシールド加工がされているタイプのLANケーブルです。
ノイズが多く発生する工場や研究所などの特殊な場所で、STPケーブルが利用されています。
一般家庭ではSTPケーブルを使うメリットはあまりありません。
2重シールドケーブル
2重シールドケーブルは、STPケーブルのシールドをさらに強固にしたLANケーブルです。
ケーブル内で発生するノイズにも対応でき、より安定感と高速通信をしたい人におすすめのケーブルになります。
STPケーブルと同様に、一般家庭ではあまり効果がわからないと思います。
PoEケーブル
PoEケーブルは、通信信号とあわせて電力供給もできるLANケーブルです。
LANケーブルをつなぐ機器がPoE対応であれば、電源を供給する必要がなくなります。
PoE対応の監視カメラやWi-Fiルーターを接続するときにおすすめです。
フラットケーブル
フラットケーブルはケーブル本体が薄いので、踏みつけに強いLANケーブルです。
カーペットの下を通したり、壁にLANケーブルを這わすときにおすすめとなります。
耐久性は落ちるので、LANケーブルを頻繁に抜き差しするなら避けた方が無難です。
巻き取りケーブル
巻き取りケーブルは、ケーブル本体をコンパクトに収納できるLANケーブルです。
出張先や外出先で有線接続をしたい場合や、デスク回りをスッキリさせたい人におすすめです。
LANケーブルが収納できるので、持ち運びも楽ですよね。
高屈曲ケーブル
高屈曲ケーブルは、曲げや折れに強いLANケーブルです。
LANケーブルを繰り返し、曲げたり動かしたりする環境で使うなら、高屈曲ケーブルがおすすめとなります。
一般家庭なら、普通のLANケーブルで十分です。
屋外用LANケーブル
屋外用LANケーブルは、雨や日光に強いLANケーブルです。
ケーブルの構造が二重になっているので、耐水性・耐UV性に優れています。
屋外の防犯カメラと通信機器をつなぐときに、屋外用LANケーブルがおすすめです。
LANケーブルの選び方③:単線とより線の違い
LANケーブルの内部構造によって、単線とより線の2種類があります。
それぞれの違いを解説していきます。
単線のLANケーブルの特徴
単線のLANケーブルは、1本の太い銅線で構成されています。
そのためケーブル自体が固くなっており、曲げて使うことが難しいLANケーブルです。
しかしより線と比べて通信の安定感は高く、10m以上を使う場合には単線のLANケーブルがおすすめとなります。
より線のLANケーブルの特徴
より線のLANケーブルは、7本の細い銅線で構成されています。
そのためケーブル自体が柔らかく、扱いやすいLANケーブルです。
しかしノイズなどの影響を受けやすく、単線と比べて通信の安定感は落ちてしまいます。
短い距離で使う分には、通信の安定感にそこまでの違いはありません。
まとめ
LANケーブルの選び方について説明しました。
- LANケーブルには、規格(カテゴリー)ごとに速度が異なる
- 光回線より遅いLANケーブルを使うと、速度が遅くなる
- LANケーブルには8つの種類があるが、UTPケーブルで十分
- ただし屋外で利用するなら、屋外用LANケーブルがおすすめ
- LANケーブルには単線とより線があるが、あまり気にしなくてOK
インターネットの接続はWi-Fiが主流になりつつありますが、通信の安定感はLANケーブルに分があります。
特にオンラインゲームをする人であれば、LANケーブルでの接続がおすすめです。
またONUとWi-Fiルーターの接続にもLANケーブルを利用しているので、Wi-Fiの速度が遅いと気になる人はそちらもチェックしてみましょう。
LANケーブルは、カテゴリー6以上がおすすめです。
光回線が遅い場合には、こちらの記事も確認してください。
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