せっかく10ギガ回線を契約したのに、「1ギガ回線と変わらない」「期待外れでガッカリ!」と感じたことはありませんか?

その原因、もしかするとLANケーブルかもしれません。
実は、古いLANケーブルのままだと、どれだけ高性能な回線でも1Gbps止まりになってしまうケースがあるんです。
この記事では、通信会社に勤める筆者が、10ギガ対応LANケーブルの選び方とおすすめ製品をわかりやすくご紹介します。
「LANケーブルってどれも同じでしょ?」「何を基準に購入すればいいの?」そんな方は、ぜひ最後までチェックしてみてください。
結論|10ギガ回線を活かすにはLANケーブルが超重要
10ギガ回線を契約しても、LANケーブルが古い規格のままだと、10ギガ本来のスペックを発揮できません。
実は、LANケーブルには「Cat.(カテゴリ)」という規格があり、使うケーブルによって最大通信速度が大きく変わるのです。
これは、10ギガ対応のルーターを使っていても、LANケーブルがボトルネックになって通信速度が制限される“見落としがちな落とし穴”です。
特に注意が必要なのが、Cat.5eやCat.6のケーブル。これらは最大でも1Gbpsまでしか対応しておらず、10ギガ回線を導入しても“1ギガ止まり”になってしまいます。
そのため、10回線のスペックを最大限に活かすためには、Cat.6A以上のLANケーブルに交換する必要があるわけです。
現在使っているLANケーブルの印字を確認し、「Cat.6A」や「Cat.7」「Cat.8」と記載がない場合は、早めの交換をおすすめします。
「Cat.◯」とは?LANケーブルの規格をやさしく解説
LANケーブルの「Cat.(カテゴリ)」とは、通信速度や周波数帯(伝送帯域)を示す規格のことです。
数字が大きくなるほど高性能で、「Cat.6A」以上であれば10ギガ通信にも対応しています。
自宅の回線速度が遅いと感じるとき、ルーターやプロバイダを疑いがちですが、実はLANケーブルの規格が足を引っ張っているケースも少なくありません。
まずは、お使いのLANケーブルに「Cat.6」「Cat.5e」などの印字がないか確認してみましょう。
Cat.表記の意味と見分け方
LANケーブルには「Cat.5e」や「Cat.6A」のように、対応する通信規格が印字されています。
これはLANケーブルの性能(最大通信速度・周波数帯域)を示すもので、数字が大きいほどスペックが高くなります。
ケーブルの外側(ビニール被膜部分)に、以下のような形で印字されているのが一般的です。
▼ 実際の印字例(Cat.5e)


なお、印字は小さくて見えづらい場合もありますが、「Cat.◯」という表記を確認できれば、そのケーブルの規格が判断できます。
「Cat.5e」や「Cat.6」では10ギガ回線には対応していないため、必ずCat.6A以上のケーブルに交換しましょう。
LANケーブルの規格・カテゴリーの違い
LANケーブルには、Cat.5eやCat.6Aなど、さまざまな規格(カテゴリー)があり、数字が大きくなるほど性能も高くなります。
ただし、すべてが10ギガ回線に対応しているわけではないため、「どれを選べばいいのか?」が重要なポイントになります。
以下に、初心者の方でもわかりやすいように、代表的なLANケーブルの規格とその特徴をまとめました。
Cat.5e | 最大1Gbps | 古い規格。10ギガ非対応 |
---|---|---|
Cat.6 | 最大1Gbps | Cat.6Aと似ているが10ギガ非対応 |
Cat.6A | 最大10Gbps | ◎ 迷ったらこれ!コスパ・性能両立 |
Cat.7 | 最大10Gbps | 端子が特殊で一部機器と非互換 |
Cat.8 | 最大40Gbps | 高価・家庭用にはオーバースペック気味 |
特に注意したいのは、Cat.6とCat.6Aの違いです。名前が似ているため混同されがちですが、Cat.6は10ギガ回線には対応していません。
また、Cat.7やCat.8は10ギガ以上の通信に対応していますが、家庭用ルーターと端子の形状が合わないこともあり、初心者にはやや扱いづらい印象があります。
初心者におすすめなのはCat.6A
10ギガ回線を最大限に活用したいなら、Cat.6AのLANケーブルをおすすめします。
Cat.6Aは、最大10Gbpsの通信に正式対応している規格で、性能・価格・互換性のバランスがもっとも取れた規格・カテゴリーです。
Cat.6AのLANケーブルなら、特別な機器や特殊な端子も必要なく、家庭用のルーターやパソコンともそのまま使える点が大きな魅力です。
また、Cat.6Aはノイズ耐性にも優れており、安定した高速通信が必要なオンラインゲームや高画質な動画視聴にも適しています。
Cat.7やCat.8のように高価すぎたり、対応機器が限られることもなく、「とりあえずこれを選べばOK」という安心感があります。
こんな落とし穴も!LANケーブル選びの注意点
LANケーブル選びは、一見すると「規格さえ確認すれば大丈夫」と思われがちですが、実は思わぬところに落とし穴があります。
性能の高いものを選んだつもりでも、接続できなかったり、速度が出なかったりといった失敗は少なくありません。
ここでは、初心者が陥りやすい代表的な注意点を3つご紹介します。
カテゴリーが高ければいいというわけではない
Cat.7やCat.8など、数字が大きくて高性能に見えるLANケーブルもありますが、必ずしも10ギガ回線に最適とは限りません。
たとえばCat.7は端子の形状が特殊で、一般的な家庭用ルーターやパソコンに対応していない場合があります。
また、Cat.8も性能こそ高いものの、価格が高く取り回しも難しいため、家庭用にはオーバースペックになってしまうでしょう。
大切なのは、「とにかく高性能なもの」ではなく、自分のネット環境に合ったLANケーブルを選ぶことです。



10ギガ回線なら、実用性とバランスに優れたCat.6Aが最もおすすめの規格と言えます。
古いLANケーブルでは10ギガは出ない
10ギガ回線を契約しても、「思ったより速度が出ない」と感じるケースは少なくありません。
その原因として多いのが、古いLANケーブルをそのまま使っているパターンです。
現在、LANケーブルはCat.5eが主流ですが、それをそのまま使ってしまうと、最大通信速度が1Gbpsまでに制限されています。
つまり、通信機器や契約プランが10ギガに対応していても、LANケーブルがボトルネックになって速度が頭打ちになってしまうのです。



LANケーブルの印字を確認し、「Cat.6A」以上でなければ早めに交換しましょう。
ケーブルの長さや配線ルートにも注意
LANケーブルを選ぶときは、規格(Cat.6Aなど)だけでなく、ケーブルの長さや配線の仕方にも注意が必要です。
一般的にLANケーブルは、長くなればなるほど通信の安定性が下がりやすくなります。
とくに10メートルを超えるような長さになると、環境によってはノイズの影響を受けて通信速度が落ちてしまうこともあります。
また、配線ルートにも気を配る必要があり、たとえば、電源ケーブルや延長コードと並行に這わせたり、金属製のラックに束ねたりすると、ノイズ干渉の原因になります。
さらに、家具の下で強く折れ曲がっていたり、ケーブル同士をきつく巻いて収納している場合も、劣化や速度低下につながる恐れがあります。



LANケーブルは「必要最低限の長さ」で、「緩やかに配線する」のが基本です。
失敗しない!10ギガ対応LANケーブルの正しい選び方
10ギガ回線をしっかり活かすには、LANケーブル選びがとても重要です。
でも、「Cat.6Aがいい」と聞いても、他に何を基準に選べばいいのか、意外と迷うもの。
LANケーブルは規格だけでなく、長さや形状、配線ルートによっても最適なタイプが変わります。
ここでは、失敗を避けるためにチェックしておきたいLANケーブルの選び方のポイントを、3つのステップでわかりやすく解説します。
使う場所と必要な長さを確認
LANケーブルを購入するときは、どこにどれくらいの長さが必要かを確認してください。
ケーブルが短すぎると届かず、買い直す必要があったり、通信機器の設置位置を変えなければならなくなることもあります。
逆に、必要以上に長すぎるとノイズの影響や速度低下が起きる可能性もあるため、適切な長さのものを購入しましょう。
Cat.6Aの規格を選ぶ
10ギガ回線に対応したLANケーブルを選ぶなら、Cat.6Aの規格を選ぶのが基本です。
Cat.6Aは、最大通信速度10Gbpsに正式対応しており、通信の安定性やノイズ耐性にも優れています。
家庭用ルーターやパソコンとの相性もよく、扱いやすさ・価格・性能のバランスがもっとも良い規格といえます。
配線しやすい形状を選ぶ
LANケーブルは、規格や長さだけでなく、形状(太さ・柔らかさ)にも種類があります。
使用する場所や配線ルートに合わせて、配線しやすい形状を選びましょう。
- スタンダードタイプ:
一般的な太さで、ノイズに強く通信も安定しやすいタイプ。壁沿いや家具の裏に余裕があるならこれで十分です。 - スリムタイプ:
柔らかくて細いので、曲げたり巻いたりしやすく、ルーター周りやデスク裏など狭いスペースに最適です。 - フラットタイプ:
厚みがなく平たい形状で、カーペットの下やドアのすき間などに配線しやすいのが特徴。見た目もスッキリします。
実際に使ってよかった!おすすめ10ギガ対応LANケーブル3選
選び方がわかっても、「じゃあ具体的にどれを買えばいいの?」と迷う方も多いはずです。
そこで、実際に使ってよかったおすすめのLANケーブルを、形状別に3つご紹介します。
【安定性重視】スタンダードタイプ(太めでノイズに強い)
通信の安定性を重視するなら、太めのスタンダードタイプのLANケーブルがおすすめです。
ノイズに強く、電気的な干渉を受けにくいため、大容量データの送受信やオンラインゲーム、テレワークにも最適です。
硬さはややあるものの、壁沿いや家具の裏に余裕がある環境なら問題なく配線できます。
家庭用として使いやすく、信頼性の高い構造なので、「まずは確実に速度を出したい」という方にぴったりのタイプです。
▼ LANケーブルCat.6A(スタンダードタイプ)
【配線しやすい】スリムタイプ(柔らかくて取り回し◎)
LANケーブルの取り回しやすさを重視するなら、スリムタイプがおすすめです。
柔らかくて細い構造になっており、デスク裏やテレビ周り、壁際などの狭いスペースでもスムーズに配線できます。
巻きクセが付きにくい素材のものも多く、コード整理や移動もしやすいのが特徴です。
通信の安定性と柔軟性を両立したい方にぴったりのタイプです。
▼ LANケーブルCat.6A(スリムタイプ)
【省スペース】フラットタイプ(カーペット下もOK)
見た目をスッキリさせたい方や、家具の下・すき間を通す必要がある場合は、フラットタイプのLANケーブルがおすすめです。
薄くて平らな形状のため、カーペットの下やドアのすき間、壁の隙間などでもスムーズに配線できます。
柔らかくて取り回しもしやすく、コードが目立ちにくいのも嬉しいポイントです。
ノイズへの強さではスタンダードタイプにやや劣るものの、配線の自由度や省スペース性を重視するなら非常に優れた形状です。
▼ LANケーブルCat.6A(フラットタイプ)
よくある質問(FAQ)|10ギガ対応LANケーブルの疑問を解決!
10ギガ対応のLANケーブルに関して、よくある疑問をQ&A形式でまとめました。
ケーブル選びや配線の注意点に不安がある方は、ぜひ参考にしてください。
使っているLANケーブルが10ギガ対応かどうか見分ける方法は?
ケーブル本体に「Cat.6A」や「Cat.7」などの表記があります。印字がない場合は性能不明なので、Cat.6Aの新しいケーブルに交換した方が安全です。
Cat.6AとCat.6の違いは?10ギガ回線にはどっちが必要?
Cat.6は最大1Gbps対応、Cat.6Aは最大10Gbps対応です。10ギガ回線には必ずCat.6A以上が必要です。Cat.6では速度が出ません。
フラットタイプや極細タイプでも10ギガ通信は可能ですか?
可能です。ただし、ノイズ耐性や強度はスタンダードタイプより劣ることがあるため、短距離や屋内配線用として使うのがおすすめです。
ケーブルの長さによって速度は変わる?
10m以上になるとノイズの影響が出やすくなります。できるだけ短く・Cat.6A以上・品質の良いケーブルを選びましょう。一般家庭なら3〜5mで十分です。
ケーブルだけ変えても速くならないことがある?
はい。ONUやルーターが10ギガ対応でない場合、LANケーブルを変えても速度は上がりません。まずは接続機器側の性能を確認しましょう。
まとめ|10ギガ対応のLANケーブル選びで失敗しないために
10ギガ回線を最大限に活かすには、LANケーブルの選び方が非常に重要です。
回線やルーターが高性能でも、Cat.5eなどの古いLANケーブルを使用していると、通信速度は1Gbps止まりになってしまいます。
まず基本となるのは、10Gbps通信に正式対応しているCat.6A規格のケーブルを選ぶこと。
それに加えて、「どこで使うのか」「どれくらいの長さが必要か」「配線ルートに合った形状か」といった観点も見逃せません。
たとえば…
- 壁沿いに固定するならスタンダードタイプ
- 狭いスペースに配線するなら極細タイプ
- カーペット下を通すならフラットタイプ
このように、使用環境に合わせて最適な1本を選ぶことで、速度・安定性・使いやすさすべてを満たすLAN配線が実現できます。
▼ 10ギガ対応ルーターのおすすめと、失敗しない見分け方はこちらで解説しています。


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