光回線の10ギガは本当に必要?契約前に知っておきたい落とし穴とは

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10Gbpsの光ファイバーが必要かどうか疑問に思うユーザー

「光回線は10ギガの時代へ」
そんなキャッチコピーを見て、「自分も10ギガにした方がいいのかな?」と感じていませんか?

確かに10ギガ回線は、理論上は1ギガの約10倍の通信速度を誇ります。
でも、ちょっと待ってください。

実は、ルーターやパソコン、LANケーブルなどの機器がすべて“10ギガ対応”でなければ、せっかく10ギガの回線を契約しても、その性能はまったく活かされません。

この記事では、「光回線10ギガは本当に必要か?」という疑問に対して、契約前に知っておいてほしい落とし穴について、通信会社に勤める筆者がわかりやすく解説していきます。

10ギガってなんかすごそう…と感じている方こそ、ぜひ参考にしてください。

筆者のプロフィール

ヘッドバンドを付けている少年

HIRO

マンションオーナーや管理会社向けに、光回線を提案している業界15年目の営業マンです。全国各地の光回線に携わり、業界の最新情報や裏事情などにも熟知。当メディアでは他サイトでは絶対に手に入らない、光回線のお得な情報や裏ワザなどをご紹介します。

目次

結論|光回線だけを10ギガにしても意味がない

10Gbpsの光ファイバーインターネットについて考える若い男性のイラスト

「10ギガ回線=爆速」と思われがちですが、実際には回線速度は“トータルの環境”で決まります。どれだけ高性能な回線を引いても、ルーターやパソコン、LANケーブルなどが10ギガに対応していなければ、その回線速度を活かすことはできません。

たとえば、パソコンのLANポートが1ギガまでしか対応していなければ、どれだけ速い回線が来ていても1Gbpsが上限になります。Wi-Fiルーターも同様で、10ギガ回線を活かすには10Gbps以上に対応した機種が必要です。さらに、LANケーブルの規格が古いままだと、そこで通信がボトルネックになってしまう可能性もあります。

10Gbps光ファイバーインターネット設定におけるネットワークボトルネック図

つまり、光回線だけを10ギガにしても、それ以外の機器が足を引っ張っている限りは“意味がない”のです。

10ギガの性能をフルに発揮するには、回線・機器・接続方法のすべてが整っている必要があります。逆に言えば、それらが整っていない状態で10ギガに乗り換えても、体感速度は1ギガとほとんど変わらないケースも多いのが現実です。

10ギガの光回線をフルスペックで利用する方法

10Gbps光ファイバーインターネット接続のフルスピードセットアップ

10ギガの光回線は、回線自体のスペックだけで通信速度が決まるわけではありません。むしろ、家庭内の機器や接続環境によって、その性能が大きく左右されます。

たとえば、Wi-FiルーターやLANケーブル、パソコンのLANポートが10ギガに対応していなければ、せっかくの高速回線もボトルネックが発生し、実際の通信速度は1ギガ以下にとどまるケースがほとんどです。

つまり、10ギガの光回線を契約して最大限のパフォーマンスを得るためには、機器側も“10ギガに対応した構成”にすることが必須です。

ここからは、10ギガ光回線の性能をきちんと活かすために必要な3つのポイントを紹介します。

10GBASE-TのLANポートが必要

10ギガ光回線をフルに活かすためには、パソコンやNASなどのLANポートが「10GBASE-T」に対応している必要があります。

HIRO

10GBASE-Tとは、最大10Gbpsの通信に対応した有線LANの規格のことです。

一般的な家庭用パソコンに搭載されているLANポートは、1Gbpsまでしか対応していないことがほとんどで、これでは10ギガの回線を契約しても実際の通信速度は1Gbpsが上限になってしまいます。

「本当に速くなるかどうか」は、回線ではなく、使っている機器側が10ギガに対応しているかどうかにかかっていると言っても過言ではありません。

もし現在使っているパソコンに10GBASE-Tポートが搭載されていない場合は、外付けのLANアダプタや10ギガ対応の拡張カード(NIC)を追加する必要があります。

ただし、USB接続のアダプタではボトルネックになる場合があるため、PCIeスロットに直接取り付けるタイプの方が安定します。

Wi-Fi6(11ax)以上のルーターが必要

10ギガ回線の性能を無線でも最大限に活かすには、「Wi-Fi6(IEEE 802.11ax)」以上の規格に対応したルーターが必要です。

Wi-Fi6は最大9.6Gbpsに対応しており、従来のWi-Fi5(802.11ac)やWi-Fi4(802.11n)よりも高速かつ安定した通信が可能です。

ただし、Wi-Fi6対応ルーターを使ったとしても、実際の通信速度は環境や接続端末の性能によって大きく左右されます。ルーターと端末の距離が遠かったり、障害物が多かったりすると、速度が十分に出ないケースもあります。

また、パソコンやスマートフォンなどの端末側もWi-Fi6に対応していないと、速度の恩恵は受けられません。つまり、Wi-Fi6対応ルーターだけではなく、接続する側のデバイスも含めて環境全体を見直す必要があります

10ギガ回線を使うのに無線接続をメインに考えている場合は、Wi-Fi6は最低限の前提条件といえるでしょう。

10ギガ対応ルーターの選び方については、こちらの記事に詳しくまとめました。

CAT.6A以上のLANケーブルが必要

10ギガ回線を有線で利用する場合、LANケーブルの規格も非常に重要なポイントになります。

光回線や機器が10ギガ対応でもLANケーブルが1ギガ対応のままでは、それがボトルネックとなって通信速度が大きく制限されてしまいます。

10ギガ回線で安定した通信速度を得るためには、「CAT.6A(カテゴリー6A)」以上のLANケーブルを使用する必要があります。

HIRO

CAT.6Aは最大10Gbpsに対応しており、10ギガ環境のスタンダードとして推奨されています。

一方で、よく使われているCAT.5eやCAT.6では、理論上は1Gbpsまでの対応となっているため、10ギガの速度は出ません。

もし10ギガ環境に切り替えるのであれば、LANケーブルの規格も必ず確認し、必要に応じてCAT.6AやCAT.7への交換を検討しましょう。

10ギガ対応のLANケーブルについては、こちらの記事に詳しくまとめました。

多くの人にとって1ギガプランで十分な理由

1Gbps接続でストリーミングとリモートワークを楽しむ一般インターネットユーザーのイラスト

10ギガの光回線は魅力的に見えますが、現時点では「ほとんどの人にとって1ギガプランで十分」というのが実情です。

多くの家庭では、ネットの主な使い道は動画視聴やウェブサイトの閲覧、テレワークでのビデオ会議などです。これらは通信速度が数百Mbpsも出ていれば快適に利用できるため、1ギガの回線で過不足を感じることはほとんどありません。

実際、筆者の体感としても、1ギガ回線で平均300〜600Mbpsほど出ていれば、4K動画の再生もスムーズですし、オンライン会議も安定して接続できます。

10ギガ回線の「理論値10倍」というスペックはあくまで最大値であり、利用環境によっては1ギガとの体感差がほとんどないケースも珍しくありません。

このあと、1ギガでも十分な理由を、もう少し具体的なケースで見ていきましょう。

1ギガプランでも動画視聴やテレワークは快適

YouTubeの高画質動画やNetflixの4Kストリーミング、ZoomやTeamsによるビデオ会議といった一般的な使い方であれば、1ギガ回線でも十分すぎる通信速度が出ます。

たとえば、4K動画の視聴に必要な速度はおおよそ25Mbps前後、HD画質でも5〜10Mbps程度です。1ギガ(=1000Mbps)回線であれば、帯域にはかなり余裕があります。

また、テレワークにおけるオンライン会議やファイルの送受信でも、実測値で100〜300Mbps出ていればストレスなく作業できます。これは多くの1ギガ回線+Wi-Fi6対応ルーターで普通に実現できる範囲です。

つまり、通信速度だけを理由に「10ギガにしなきゃ」と焦る必要はありません。現実的な利用環境を考えれば、1ギガ回線でも快適に過ごせるケースがほとんどです。

有線接続にすれば1ギガプランでもゲームがサクサク

オンラインゲームを快適にプレイしたい場合、通信速度よりも「安定性」や「遅延の少なさ(=低Ping値)」の方が重要です。

その点、1ギガの光回線であっても、有線接続にすることで非常に安定した環境が構築できます。

Wi-Fiは便利ですが、電波干渉や通信の揺らぎが発生しやすく、特にFPSや格闘ゲームなどの“リアルタイム性が求められるゲーム”では不利になることがあります。

一方、有線接続であれば、通信が途切れる心配も少なく、Ping値も安定しやすいため、1ギガ回線でもラグのない快適なプレイが可能です。

実際、筆者の環境もNURO光の2ギガの光回線を有線で利用していますが、オンラインゲームでストレスを感じたことはまったくありません。

「ゲーム=10ギガ必須」と思われがちですが、通信の安定性さえ確保できれば、1ギガ回線でも十分に戦える環境は作れます。

光回線の10ギガが必要な人とは?

10Gbpsの光ファイバー接続を必要とする可能性のある人々のイラスト

ここまでの内容を踏まえると、10ギガの光回線は「誰にでも必要」というわけではないことがわかります。ただし、特定の用途や環境によっては、1ギガ回線では物足りず、10ギガ回線が効果を発揮するケースもあります

たとえば、大容量のデータを日常的にやり取りする仕事をしていたり、家庭内で複数の機器が同時に高速通信を必要とする場合などは、10ギガ回線のパワーが活きてくるでしょう。

このセクションでは、「10ギガが必要かも」と感じる場面を3つに絞って紹介します。自分に当てはまるかどうかの目安として、ぜひ参考にしてみてください。

プロゲーマーを目指している人

オンラインゲームの世界で勝ち抜くには、操作スキルだけでなく「通信環境の安定性」も大きな武器になります。

特にFPSや格闘ゲームなど、一瞬の遅延が勝敗に影響するジャンルでは、Ping値や応答速度がシビアに問われます。

その点で、10ギガの光回線は通信速度が速いだけでなく、安定性や低遅延性能にも優れているため、eスポーツレベルの環境を求める人にとっては非常に有利です。

もちろん、1ギガの回線でも有線接続であれば十分快適にプレイ可能ですが、プロレベルのプレイヤーになると、1フレームの遅れが命取りになる場面もあります。

そういったシビアな環境で少しでも有利に立ちたい人にとって、10ギガ回線は“最強の通信インフラ”となるでしょう。

動画編集の仕事をしている人

4Kや8Kといった高解像度の動画ファイルは、1本あたりの容量が数GB〜数十GBにもなるため、クラウドへのアップロードやクライアントとのデータやり取りで回線速度がネックになることがあります。

とくに、Adobe Premiere ProやDaVinci Resolveなどを使ってリモートワークで作業をしている人にとっては、素材の受け渡しや書き出し後の納品が頻繁に発生するため、1ギガ回線では時間のロスが大きくなることも。

こうした作業を効率化したい場合、上りも下りも高速な10ギガ回線を導入することで、ファイル転送時間のストレスを大幅に軽減できます。

また、大容量の素材を複数人で扱う制作チームや映像系フリーランスの場合は、10ギガ回線が業務効率の鍵を握る存在になると言っても過言ではありません。

家族みんなでネットを利用してる人

家族全員が同時にネットを使う家庭では、通信の混雑状況によって1ギガでは回線が不安定になることがあります。

たとえば、リビングで動画視聴をしている人がいて、別の部屋ではリモートワーク中、さらに子どもたちがオンラインゲームをしているというような状況では、1ギガ回線では帯域が足りなくなることも。

10ギガ回線は、最大速度だけでなく“帯域の余裕”も大きいため、家族それぞれが同時にネットを使っても速度の低下を感じにくいというメリットがあります。

また、スマート家電やIoT機器が増えている現代では、家庭内の通信機器の台数自体が多くなっています。こうした環境では、10ギガ回線を導入することで、将来的にも快適な通信環境を維持しやすくなります。

よくある質問(FAQ)

10ギガ回線に興味を持って調べていると、いくつかの共通した疑問を目にすることがあります。

特に「10ギガにすれば本当に速くなるのか?」「自分の家でも使えるのか?」といった実用面の不安は多くの方が感じているポイントです。

ここでは、実際によく聞かれる3つの質問を取り上げて、わかりやすくお答えしていきます。

契約前にモヤモヤを解消したい方は、ぜひチェックしてみてください。

10ギガにすれば、動画やゲームも速くなりますか?

機器がすべて10ギガに対応していれば、速度が向上する可能性はあります。ただ、動画やゲームは1ギガでも快適に使えるため、速度の違いを感じにくいケースがほとんどです。

マンションでも10ギガの光回線は使えますか?

10ギガの提供エリアであれば利用できるでしょう。しかし、建物の設備や配線方式によっては非対応のケースも多いのが実情です。申し込み前に「10ギガ対応マンション」かどうかを確認することが大切です。

10ギガ対応のパソコンにしないと意味がありませんか?

有線で10ギガの速度を出すには、パソコン側も10GBASE-Tポートなどに対応している必要があります。対応していない場合、1Gbpsまでしか通信できず、10ギガ回線の恩恵は受けられません。

10ギガは月額料金が高くなりますか?

多くの10ギガプランは、1ギガよりも月額で500〜1,000円ほど高く設定されています。速度に対してコスパが見合うかどうかをよく比較して検討しましょう。

10ギガ対応ルーターっていくらくらいしますか?

10ギガ対応ルーターは安くても1〜2万円台、高性能なモデルだと3万円以上することもあります。性能だけでなく、有線LANのポート数や対応規格も事前に確認しておくと安心です。

まとめ|光回線の10ギガを契約する前に確認すること

10ギガの光回線は超高速通信が可能で非常に魅力的なスペックを持っていますが、誰にとっても必要なものとは限りません。

実際には、ルーターやLANケーブル、パソコンなどがすべて10ギガに対応していなければ、その性能を十分に活かすことはできません。

また、動画視聴やオンラインゲーム、テレワークといった一般的な使い方であれば、1ギガの回線でも快適に利用できるケースがほとんどです。

一方で、動画編集の仕事をしていたり、家族全員で大量の通信を同時に行うような場合には、10ギガ回線が役立つ可能性もあります。

契約を検討している方は、「本当に自分の環境で10ギガの恩恵を受けられるか?」を冷静に確認したうえで判断するのがおすすめです。

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