光回線を乗り換えたいと思っても、「また自宅に作業員が来るの?」「壁に穴を開ける工事が必要?」と気になる人もいるでしょう。工事の日程を空けたり、大家さんや管理会社へ確認するのはかなり面倒です。
ただし、ドコモ光やソフトバンク光など、NTT回線を使った「光コラボ」同士の乗り換えなら、原則として工事は必要ありません。今ある回線設備をそのまま使い、契約先だけを変更できるからです。
私も以前は、光回線を乗り換えるたびに工事が必要だと思っていました。しかし、利用中の回線と乗り換え先によっては、工事をせずに契約先だけ変更できます。
この記事では、光回線を工事不要で乗り換えられるケースと、工事が必要になるケースの違いを解説します。乗り換えの手順や費用、注意点も確認していきましょう。
光回線の乗り換えは工事不要でできる?
現在使っている回線設備をそのまま利用できれば、光回線は工事不要で乗り換えられます。代表的なのは、光コラボ同士の乗り換えと、フレッツ光から光コラボへの変更です。
ただし、乗り換え先によっては、新たな開通工事が必要になります。まずは、工事をせずに乗り換えられるケースから確認していきましょう。
光コラボから光コラボなら原則として工事不要
ドコモ光やソフトバンク光、ビッグローブ光などは、NTT東日本・西日本の回線を借りてサービスを提供しています。この仕組みを「光コラボ」といいます。
サービス名や料金は違いますが、インターネットを自宅まで届けるための回線設備は共通しています。そのため、光コラボから別の光コラボへ乗り換える場合は、現在の設備をそのまま利用できます。
たとえば、ドコモ光からソフトバンク光へ乗り換える場合、新しい光ファイバーを自宅へ引き直す必要はありません。今ある回線を残したまま、契約先だけが切り替わります。
この乗り換え方法を「事業者変更」といいます。
名前は少し難しく感じますが、手続きの内容は「光コラボの契約先を変更する」と考えれば十分です。工事の日程を調整したり、作業員を自宅へ入れたりする必要も基本的にありません。
フレッツ光から光コラボへの乗り換えも工事不要
現在フレッツ光を利用している人が、ドコモ光やソフトバンク光などの光コラボへ乗り換える場合も、原則として工事は必要ありません。
フレッツ光と光コラボは、どちらもNTT東日本・西日本の回線設備を使用しているからです。
フレッツ光から光コラボへの乗り換えは「転用」と呼ばれます。「事業者変更」と似ていますが、現在利用している回線が異なります。
- フレッツ光から光コラボ:転用
- 光コラボから別の光コラボ:事業者変更
どちらも新しく光回線を引き込むのではなく、現在のNTT回線を引き続き利用する手続きです。
ただし、フレッツ光で契約しているプロバイダは、自動で解約されない場合があります。光コラボへの乗り換え後に、プロバイダの解約手続きが必要か確認しておきましょう。
工事不要でもルーターの設定や機器の返却は必要
工事不要とは、乗り換えに伴う作業が何もないという意味ではありません。
乗り換え先によっては、Wi-Fiルーターの設定変更が必要です。新しいルーターが送られてきた場合は、現在使っているルーターと交換します。
また、現在の回線事業者から借りている機器は、乗り換え後に返却しなければなりません。返却する可能性があるのは、Wi-Fiルーターや回線事業者が独自に貸し出している機器などです。
一方、NTTのロゴが入ったONUやホームゲートウェイは、乗り換え後もそのまま使用することがあります。自分で判断して返却せず、現在の契約先から届く案内に従いましょう。
レンタル機器を返却しないと、機器代金を請求されることもあります。箱や説明書を捨てていても返却はできるため、返却先と必要な機器を確認しておくことが大切です。
光回線の乗り換えで工事が必要になるケース
現在の回線設備を乗り換え先で使えない場合は、開通工事が必要になります。
代表的なのは、独自回線への乗り換えや光回線を新しく引き込むケースです。1ギガから10ギガへ変更するときも、工事が必要になる場合があります。
NURO光やauひかりなど独自回線へ乗り換える
光コラボからNURO光やauひかりへ乗り換える場合は、基本的に開通工事が必要です。
NURO光やauひかりは、ドコモ光やソフトバンク光などの光コラボとは異なる仕組みでサービスを提供しています。そのため、「事業者変更」では乗り換えられません。
私が利用しているNURO光も、申し込み後に開通工事が行われました。すでに自宅に光コンセントがあっても、ほかの光回線で使っている設備をそのまま利用できるとは限りません。
なお、一部では既存の光ファイバーを利用する「光回線再利用」という方法も始まっています。ただし、対象となる建物や回線は限られており、切り替え作業も発生します。
光回線を初めて自宅に引き込む
これまでホームルーターやモバイルWi-Fiを使っていた場合は、自宅まで光ファイバーを引き込む工事が必要です。
戸建てでは、近くの電柱から光ファイバーを引き込み、室内に光コンセントを設置します。作業員が自宅へ訪れるため、基本的に立ち会いも必要です。
マンションでは、建物の共有部分まで光回線が引かれていれば、共有部分から各部屋へ配線します。ただし、部屋の設備がすでに整っている場合は、作業員が訪問しない「無派遣工事」になることもあります。
部屋に光コンセントがあっても、必ず無派遣工事になるとは限りません。設備の状態によっては、作業員が訪問する工事が必要です。
1ギガから10ギガへ変更する
光コラボから別の光コラボへの乗り換えでも、1ギガから10ギガへ変更するときは工事が必要になる場合があります。同じNTT回線を利用していても、契約先だけを切り替える通常の事業者変更とは異なるからです。
光コラボの1ギガは、NTTの「フレッツ光ネクスト」をもとに提供されています。一方、10ギガで使われるのは「フレッツ光クロス」です。契約先だけでなく、利用する回線サービスも変更することになります。
たとえば、ドコモ光の1ギガからソフトバンク光の10ギガへ乗り換える場合です。どちらも光コラボですが、事業者変更と同時に1ギガから10ギガへの切り替えが必要です。
このように、光コラボ同士でも回線速度を1ギガから10ギガへ変更する場合は、契約先を変えるだけでは済みません。回線サービスを変更するための工事が行われ、工事費が発生することもあります。
工事不要で光回線を乗り換える手順
光コラボから別の光コラボへ乗り換える場合は、「事業者変更」という方法で手続きを進めます。現在の回線を先に解約する必要はありません。
フレッツ光から光コラボへ乗り換える場合も、基本的な流れは同じです。ただし、取得する承諾番号の種類が異なります。
現在利用している回線の種類を確認する
最初に、現在利用している光回線が「光コラボ」に当てはまるか確認します。光コラボ同士であれば、事業者変更を使って工事不要で乗り換えられるからです。
ドコモ光やソフトバンク光、ビッグローブ光などは光コラボです。これらの回線から別の光コラボへ乗り換える場合は、事業者変更の手続きを行います。
一方、NURO光やauひかりなどは、光コラボではありません。光コラボへ乗り換える場合は事業者変更を利用できないため、新規契約として申し込みます。
乗り換えに必要な承諾番号を取得する
現在利用している回線の種類を確認したら、乗り換えに必要な承諾番号を取得します。
光コラボから別の光コラボへ乗り換える場合は、現在の契約先から「事業者変更承諾番号」を取得します。フレッツ光から光コラボへ乗り換える場合は、NTT東日本またはNTT西日本が発行する「転用承諾番号」が必要です。
承諾番号は、Webや電話などで申し込めます。受付方法は契約先によって異なるため、会員ページや公式サイトで確認してください。
事業者変更承諾番号と転用承諾番号の有効期限は、発行日を含めて15日間です。期限が切れると再発行が必要になるため、乗り換え先を決めてから取得したほうが手続きを進めやすくなります。
乗り換え先の光回線へ申し込む
承諾番号を取得したら、有効期限内に乗り換え先の光回線へ申し込みます。
申し込み画面では、「新規契約」ではなく「事業者変更」または「転用」を選びます。その後、取得した承諾番号や現在の契約名義、利用先住所などを入力してください。
現在の契約名義と入力した名義が異なると、手続きが進まないことがあります。家族名義で契約している場合は、申し込む前に確認しておきましょう。
乗り換え先への申し込みが完了すると、回線の切り替え日が案内されます。現在の光回線は切り替えにあわせて解約されるため、自分で先に解約手続きをする必要はありません。
接続設定とレンタル機器の返却を行う
切り替え日になると、契約先が新しい光コラボへ変更されます。同じ回線設備を引き続き使うため、作業員が自宅を訪れる開通工事は原則ありません。
NTTのロゴが入ったONUやホームゲートウェイは、基本的にそのまま使用します。事業者変更だからといって、自分で取り外したりNTTへ返却したりする必要はありません。
乗り換え先からWi-Fiルーターが届いた場合は、ONUと接続してインターネットの設定を行います。現在のWi-Fiルーターを引き続き使う場合は、乗り換え先から届く案内に従って設定してください。
以前の事業者から借りていたWi-Fiルーターや独自の接続機器は返却します。NTTのONUと一緒に返送せず、返却を指定された機器だけを送りましょう。
工事不要で乗り換えるときにかかる費用
工事不要で光回線を乗り換える場合、新しい回線の開通工事費は基本的にかかりません。
ただし、契約事務手数料や現在の回線を解約する費用は別です。「工事不要だから費用もかからない」とは限らないため、申し込む前に確認しておきましょう。
乗り換え先の契約事務手数料
事業者変更や転用では、乗り換え先の光回線で契約事務手数料がかかることがあります。
契約事務手数料は、新しい契約の登録や手続きにかかる費用です。開通工事を行わない場合でも、契約先が変われば請求されます。
金額は光回線によって異なります。また、キャンペーンによって無料になる場合もあるため、月額料金だけでなく申し込み時の初期費用も確認しておきましょう。
なお、現在の回線から事業者変更承諾番号を取得するときに、番号の発行手数料がかかる場合もあります。契約事務手数料とは別の費用なので、乗り換え元と乗り換え先の両方を確認する必要があります。
現在の回線の解約金や工事費残債
光コラボ同士の事業者変更では、乗り換え先への切り替えと同時に現在の回線が解約されます。そのため、契約内容によっては解約金が請求されます。
特に確認しておきたいのが、契約期間と更新月です。2年契約などの期間が決められているプランでは、更新月以外に乗り換えると解約金がかかることがあります。
工事費を分割払いしている場合は、支払い途中の乗り換えにも注意が必要です。「工事費実質無料」でも、解約すると割引が終了し、残った工事費を請求されることがあります。
つまり、解約金が0円でも、工事費残債まで0円とは限りません。解約時にかかる費用の確認方法は、以下の記事で詳しく解説しています。

レンタル機器の未返却費用
以前の契約先から借りていたWi-Fiルーターなどを返却しないと、未返却費用を請求されることがあります。
事業者変更では、NTTのONUやホームゲートウェイは原則としてそのまま利用します。一方、事業者が独自に貸し出しているWi-Fiルーターや接続機器は、契約終了後に返却が必要です。
返却する機器や期限は、乗り換え元によって異なります。解約後に届く案内を確認し、指定された方法で返却しましょう。
電源アダプターやLANケーブルなどの付属品も返却対象になる場合があります。機器本体だけを送るのではなく、指定された付属品がそろっているか確認してください。
光回線を工事不要で乗り換える際の注意点
工事不要の事業者変更でも、手続きの順番を間違えるとインターネットが使えない期間が発生することがあります。
また、現在利用しているメールアドレスやスマホセット割も、乗り換え後に利用できなくなる場合があります。
現在の光回線を先に解約しない
事業者変更で乗り換える場合は、現在の光回線を自分で解約してはいけません。先に解約すると、現在の回線を乗り換え先へ引き継げなくなるからです。
正しい順番は、現在の契約先から事業者変更承諾番号を取得し、その番号を使って乗り換え先へ申し込む流れです。
乗り換え先への切り替えが完了すると、以前の光回線は自動で解約されます。自分で解約日を指定する必要はありません。
先に解約して回線が停止すると、乗り換え先を新規契約として申し込むことになります。その場合は開通工事が必要になり、インターネットを使えない期間が発生する可能性もあります。
プロバイダのメールアドレスが使えなくなることがある
現在のプロバイダから発行されたメールアドレスは、光回線の乗り換え後に使えなくなることがあります。
たとえば、OCNのメールアドレスを使っている場合、OCNの契約を終了するとメールサービスも利用できなくなるのが基本です。一部のプロバイダでは、月額料金を支払うことでメールアドレスだけを残せるプランも用意されています。
プロバイダのメールアドレスを買い物サイトや金融機関などへ登録している場合は、乗り換える前に登録先を変更する必要があります。メールが使えなくなってからでは、パスワードの再設定や本人確認ができないこともあります。
GmailやYahoo!メールなど、光回線とは別に取得したメールアドレスは、乗り換え後もそのまま使えます。
スマホとのセット割が終了することがある
ドコモ光やソフトバンク光などを解約すると、スマホとのセット割が終了することがあります。
光回線の月額料金が安くなっても、スマホ料金を含めた支払額が高くなれば、乗り換えるメリットは小さくなります。家族のスマホにも割引が適用されている場合は、影響がさらに大きくなります。
たとえば、家族3人に毎月1,100円の割引が適用されていれば、割引額は合計3,300円です。光回線が毎月1,000円安くなっても、家族全体では支払額が増えてしまいます。
乗り換え前後の料金を比較するときは、光回線の月額料金だけでなく、スマホ料金を含めた合計額で考える必要があります。
契約先が変わっても通信速度が速くなるとは限らない
光コラボ同士の事業者変更では、乗り換え前と同じNTT回線を使用します。そのため、契約先を変えただけで、必ず通信速度が速くなるわけではありません。
ただし、各社がインターネットへ接続するために使う設備や、回線の混雑状況は同じではありません。乗り換え先によっては、速度が改善することもあれば、ほとんど変わらないこともあります。
特に確認したいのが、混雑の影響を受けにくい「IPv6 IPoE」への対応です。光回線によってはオプション契約が必要になり、月額料金が別にかかる場合もあります。
速度を改善するために乗り換える場合は、料金だけでなく、IPv6 IPoEを利用できる条件や対応ルーターの有無も確認しておきましょう。
光回線の工事不要な乗り換えに関するよくある質問
光回線の事業者変更について、よくある疑問をまとめます。
事業者変更ではインターネットが使えない期間はある?
光コラボ同士を事業者変更で乗り換える場合は、以前の回線から乗り換え先へ切り替わるため、インターネットが使えない期間は基本的にありません。
ただし、切り替え後にルーターの接続設定が必要な場合は、設定が終わるまでインターネットを利用できません。
ドコモ光やソフトバンク光からも工事不要で乗り換えられる?
ドコモ光やソフトバンク光は、どちらもNTT回線を使った光コラボです。そのため、別の光コラボへ事業者変更する場合は、原則として工事が必要ありません。
ただし、1ギガから10ギガへ変更する場合や、NURO光やauひかりなどへ乗り換える場合は、工事が必要になることがあります。
乗り換えるとWi-Fiルーターも交換する必要がある?
現在使っているWi-Fiルーターが乗り換え先でも利用できれば、交換する必要はありません。ただし、以前の契約先からレンタルしている場合は返却が必要です。
乗り換え先から新しいWi-Fiルーターが届いた場合は、切り替え日に現在のルーターと交換します。
ひかり電話の番号は乗り換え後も引き継げる?
光コラボ同士を事業者変更で乗り換える場合は、現在のひかり電話番号を原則として引き継げます。
ただし、キャッチホンやナンバー・ディスプレイなどのオプションは、乗り換え先で再度申し込みが必要になることがあります。また、事業者変更と同時に引っ越す場合は、地域によって電話番号が変わる可能性があります。
賃貸住宅でも工事不要で乗り換えられる?
光コラボから別の光コラボへの事業者変更であれば、賃貸住宅でも原則として工事不要です。現在の回線設備をそのまま使用するため、大家さんや管理会社から工事の許可を取る必要もありません。
ただし、独自回線への乗り換えや、1ギガから10ギガへの変更で訪問工事が必要になる場合は、事前に大家さんや管理会社へ確認してください。
まとめ|光コラボ同士なら工事不要で乗り換えられる
ドコモ光やソフトバンク光など、光コラボから別の光コラボへ乗り換える場合は、原則として開通工事が必要ありません。現在のNTT回線を残したまま、契約先だけを変更できます。
フレッツ光から光コラボへの転用も、基本的に工事不要です。一方、NURO光やauひかりなどへの乗り換えや、1ギガから10ギガへの変更では工事が必要になることがあります。
光コラボ同士で乗り換えるときは、現在の回線を先に解約せず、事業者変更承諾番号を取得してから乗り換え先へ申し込みます。解約金や工事費残債、スマホセット割も確認しておきましょう。
今後も光回線を見直す可能性があるなら、契約期間のない「縛りなし光回線」もおすすめです。更新月を気にせず乗り換えられる回線は、以下の記事で紹介しています。


コメント