
マンションのネットが遅すぎる…。夜になると動画が止まってイライラする。
そんな悩みを抱えていませんか?
マンションで光回線が遅くなる原因は、建物全体で回線を共有していたり、古い配線設備を使っていたりすることが多く、対策をしないと速度低下が続いてしまいます。
この記事では、
- なぜマンションの光回線は遅くなるのか
- 今すぐできる改善方法はあるのか
- それでもダメなときの見直し方法とは?
といったポイントを、通信会社に勤める筆者が、専門知識がなくてもわかるように、わかりやすく解説しています。
「速くて快適なネット環境にしたい」と思っている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
マンションの光回線が遅い原因は「設備」と「共有方式」にある


マンションで光回線が遅くなる主な原因は、「建物内の設備の古さ」と「回線を複数の住人で共有していること」です。
どれだけ高性能なルーターや高速プランを使っていても、マンション自体の設備や配線方式にボトルネックがあると、思うような速度は出ません。
まずは、どのような仕組みでマンションのネットが提供されているのかを知ることが、改善への第一歩です。
回線を複数人で共有しているため混雑が起きる
多くのマンションでは、1本の光回線を建物全体で共有しています。
この方式は「集合住宅向けの共用タイプ」と呼ばれ、同じ時間帯に利用者が集中すると通信速度が大きく低下することがあります。
特に夜間(20時〜23時頃)は、動画視聴やオンラインゲームをする人が増え、ネットが極端に遅くなる現象が起きやすくなります。
この“混雑による低速化”は、マンションタイプならではの大きな弱点です。
古い設備(VDSLなど)だと速度に限界がある
マンション内の配線方式によっても、光回線の速度は大きく左右されます。
中でもよくあるのが「VDSL方式」と呼ばれる構造で、これは光回線が建物の共用部までしか来ておらず、各部屋までは電話線で接続されているタイプです。
この場合、通信速度は100Mbpsが上限となってしまうため、光回線本来の速度が出せません。
そのため、いくら高速なプランを契約しても、建物の配線がVDSLのままでは性能を活かしきれないのが実情です。
▼ VDSL方式について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
プロバイダや通信設定によっても差が出る
同じ設備・同じ回線方式でも、「どのプロバイダを使っているか」によって通信速度が変わることがあります。
これは、プロバイダごとの回線混雑状況や設備投資の差によるものです。
また、IPv6(IPoE接続)に対応していない古い設定のままだと、アクセスが集中しやすい通信経路(PPPoE)を使い続けてしまい、遅くなるケースもあります。
プロバイダの選び方や初期設定の違いだけで、体感速度に大きな差が出るのも事実です。
今すぐできる対策|自宅内の見直しで速度が改善することも


マンションの光回線が遅いと感じても、必ずしも建物側の問題とは限りません。
意外と多いのが、「自宅内の通信環境」がボトルネックになっているケースです。
特に、通信方式の設定ミスや古い機器の使用、接続方法の違いによって、十分な速度が出ていないことも。
まずは、あなたの自宅の中でできることから見直してみましょう。
IPv6の設定状況を確認してみよう
まず確認したいのが「IPv6(アイピーブイシックス)」という通信方式です。
従来のIPv4と比べて混雑が少なく、速度低下を避けやすい仕組みになっています。
昨今、多くの光回線ではIPv6(IPoE接続)に対応していますが、利用者側で有効化されていないケースも多いです。
プロバイダの管理画面や契約書類を確認し、IPv6(IPoE接続)が利用できているかチェックしてみましょう。
▼ IPv4とIPv6の速度の違いについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご確認ください。
ルーターやLANケーブルの性能が足を引っ張っている場合も
どんなに速い回線を契約していても、使っている機器が古いと速度は出ません。
とくに注意したいのが、次の2つです。
- ルーター:5年以上前のモデルは、通信規格が古く速度制限の原因に。
- LANケーブル:カテゴリー5以下(CAT5)は通信速度が最大100Mbpsに制限されます。
できればCAT6A以上のLANケーブルを使い、Wi-Fi 6(11ax)対応のルーターへの買い替えを検討しましょう。
ルーターやLANケーブルを交換だけで、通信速度が数倍に改善することもあります。
スマホやPCの接続方法(Wi-Fi or 有線)を切り替えてみる
Wi-Fiで接続していて速度が遅いと感じたら、一度LANケーブルで有線接続してみましょう。
もし有線で速度が大きく改善する場合、問題はWi-Fiの電波や干渉にあると考えられます。
逆に、有線でも遅い場合は、回線やルーター側に原因がある可能性が高くなります。
一時的な確認でもいいので、有線・無線の両方を試してみることで、ボトルネックの切り分けがしやすくなります。
どうしても改善しないときは?回線やプランの見直しもひとつの手
自宅内の設定や機器を見直しても改善しない場合は、回線そのものや契約しているプロバイダを見直すことも検討してみましょう。
通信速度は「建物の設備」や「家庭内の環境」だけでなく、契約内容や提供元の混雑状況によっても左右されます。
ここでは、実際に見直しの対象となるポイントを紹介します。
プロバイダの変更で速度が改善するケースもある
同じマンションの設備を使っていても、どのプロバイダを利用しているかで通信速度に差が出ることがあります。
これは、プロバイダごとにネットワークの混雑度や設備への投資状況が異なるためです。
たとえば、IPv6に対応していないプロバイダを使っていると、混雑時に速度が極端に落ちるケースもあります。
「回線そのものは変えずに、プロバイダだけを乗り換える」という選択肢も視野に入れてみましょう。
戸建て向け回線の引き込み工事が可能なことも
マンションに住んでいても、戸建て向けの回線を個別に引き込めるケースがあります。
特に、低層階の部屋や、オーナー・管理会社の許可が得られる場合には、戸建てタイプの光回線を直接引き込むことで、速度改善が期待できます。
ただし、引き込みには工事費がかかったり、許可に時間がかかったりする場合もあるため、事前に確認が必要です。
「マンションタイプでは限界がある」と感じたときの最終手段として覚えておきましょう。
「速さ」に加えてサポートや料金も含めて比較を
速度だけに注目して回線を選びがちですが、トラブル時の対応の早さや、毎月の料金も重要な判断材料です。
たとえば、「サポートに全くつながらない」「初期費用が高すぎる」といった問題で、後悔する人も少なくありません。
以下のような点を比較しながら、あなたに合った回線を選びましょう。
- 通信速度の実績(口コミや計測サイト)
- 月額料金や初期費用
- 契約期間や違約金の有無
- サポート対応の評判
回線を見直すことで、ストレスなくネットを使える環境が手に入るかもしれません。
よくある質問(FAQ)|マンションの光回線が遅いときの疑問を解決
マンションで光回線が遅くて困ったとき、よくある疑問や対策について簡単にまとめました。
原因や改善方法、乗り換えを考えるタイミングなどを、わかりやすく紹介していきます。
マンションの光回線って、なぜ遅くなるの?
マンションタイプは建物内で光回線を共有するため、利用者が増える夜間などに速度が落ちやすくなります。
また、建物自体が古い場合には光ファイバーを利用できず、既設の電話線を利用するVDSL方式(最大100Mbps)になっている場合もあります。
今すぐできる改善方法にはどんなものがありますか?
まずはIPv6(IPoE接続)を使えるように設定を確認しましょう。また、古いルーターやLANケーブルを見直すだけでも、速度が改善することがあります。
光回線・プロバイダを変えるだけで速くなることはありますか?
あります。光回線・プロバイダごとに回線の混雑状況や設備が異なるため、同じ建物でも乗り換えによって速度が改善した例は少なくありません。
乗り換えるときに注意することは?
改めて開通工事が必要かどうか、契約期間の縛りがあるか、月額料金がいくらになるかをよく比較しましょう。
「速さ」だけでなく、サポートの丁寧さや初期費用も事前に確認しておくことをおすすめします。
まとめ|マンションでも光回線の速度は改善できる
「マンションの光回線は遅い」と感じる場面は少なくありませんが、多くの場合、設備の問題や共有による混雑、設定や機器の見直しで改善できる余地があります。
まずは、現在の通信方式(IPv6の有無)や、自宅内のルーター・ケーブルなど、すぐに確認できる部分から見直すことが大切です。
それでも改善しない場合は、プロバイダの乗り換えや、場合によっては回線そのものの見直しも検討してみましょう。



今の環境でできる改善と、現実的な選び直しをバランスよく検討することが、快適なネット環境への近道です。
僕自身が実際に使っている光回線について、速度や使い心地を本音でレビューしました。気になる方は、こちらの記事もどうぞ。


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