「リビングでは快適にネットが使えるのに、寝室や2階に行くと急に途切れてしまう…」そんな経験はありませんか?
Wi-Fiが届かない部屋があると、動画が止まったり、オンライン会議が途切れたりしてストレスになります。
この記事では、Wi-Fiの電波が届かない原因と、初心者でもすぐに試せる改善方法をわかりやすく解説します。
この記事がおすすめの人:
- 家の一部の部屋でWi-Fiがつながらない・電波が弱い
- 2階や寝室で動画が止まる・オンライン会議が途切れる
- 中継器やメッシュWi-Fiの導入を検討している
- ルーターの設置場所を変えると改善できるか知りたい
- Wi-Fiの仕組みがよく分からない初心者の方
Wi-Fiが届かない部屋ができる主な原因
まずは、なぜWi-Fiが特定の部屋に届かないのか、主な原因を理解しましょう。
ルーターからの距離が遠い
Wi-Fiの電波は、ルーターから離れるほど弱くなります。
一般的なWi-Fiルーターの届く範囲
- 屋内: 約25〜50m
- 障害物がない場合: 約100m
ただし、これは理論値です。実際の家庭環境では、壁や家具があるため、この半分以下になることも珍しくありません。
距離による電波の減衰イメージ
ルーター → 5m:■■■■(強い)
ルーター → 10m:■■■□(やや弱い)
ルーター → 15m:■■□□(弱い)
ルーター → 20m:■□□□(非常に弱い)
壁や床などの障害物が多い
Wi-Fiの電波は、障害物を通過するたびに弱くなります。
特に影響が大きいのは、以下の素材です。
| 障害物 | 電波への影響 | 具体例 |
|---|---|---|
| コンクリート壁 | ★★★非常に大きい | マンションの壁 鉄筋コンクリート造 |
| 金属 | ★★★非常に大きい | 金属製の扉 アルミサッシ 配電盤 |
| 水・水槽 | ★★☆大きい | 大きい浴室 水槽 大きな植物 |
| 木材・石膏ボード | ★☆☆やや影響 | 一般的な室内壁 木造住宅 |
よくあるケース
- 1階にルーター → 2階の部屋に届かない(床が障害物)
- キッチンの近く → 冷蔵庫や電子レンジが電波を遮断
- 玄関付近 → コンクリート壁が多い
ルーターの設置場所が悪い(床・隅・家具の裏など)
ルーターの置き場所次第で、電波の届き方が大きく変わります。
NG な設置場所
- 床に直置き(電波が下に広がってしまう)
- 部屋の隅や押入れの中(電波が一方向にしか届かない)
- テレビ台の裏や家具の陰(障害物で遮られる)
- 金属製のラックの中(電波が反射して弱くなる)
- 窓際(電波が外に逃げてしまう)
理想的な設置場所
- 家の中心に近い場所
- 床から1〜2mの高さ(棚の上など)
- 周囲に障害物がない開けた場所
- よく使う部屋の近く
電波干渉(電子レンジ・Bluetooth・他のWi-Fi)
Wi-Fiの電波は、他の電波と干渉し合うことがあります。
2.4GHz帯を使用する機器(Wi-Fiと干渉しやすい)
- 電子レンジ
- Bluetooth機器(イヤホン、スピーカー、マウスなど)
- コードレス電話
- ベビーモニター
- 隣家のWi-Fi
干渉のサイン
- 電子レンジを使うとWi-Fiが切れる
- 特定の時間帯に遅くなる(隣家のWi-Fi使用時間帯)
- Bluetooth機器を使うと不安定になる
古いルーターや2.4GHz帯の混雑
古いルーターを使い続けていると、性能不足で電波が弱くなります。
買い替えを検討すべきルーターの特徴
- 購入から5年以上経過している
- Wi-Fi 5(11ac)以前の規格
- アンテナが1〜2本しかない
- 同時接続台数が少ない(10台以下)
また、2.4GHz帯は多くの機器が使用するため混雑しやすく、5GHz帯に対応していないルーターだと電波干渉を避けられません。
Wi-Fiが届かないときの改善方法
ここからは、具体的な改善方法を紹介します。簡単なものから順に試してみましょう。
ルーターの設置場所を見直す
まずは無料でできる対策をご紹介します。
- 床に直置きしていないか?
- 部屋の隅や押入れに置いていないか?
- 周囲に金属製の家具がないか?
- 家の端(玄関付近など)に置いていないか?
- 家の中心に近い場所を探す
- リビングの中央付近
- 廊下の棚の上
- 2階建ての場合は1階と2階の中間階段付近
- 高さを確保する
- 棚やキャビネットの上(床から1〜2m)
- 壁掛けフックで固定
- 周囲をクリアにする
- ルーターの周囲30cm以内に物を置かない
- アンテナ付きの場合は立てる
- 届かなかった部屋で速度測定してみる
- 複数の場所で電波の強さを確認する
5GHz/2.4GHzの周波数を切り替える
多くのルーターは、2つの周波数帯を同時に使えます。用途に応じて使い分けましょう。
周波数帯の特徴比較
| 項目 | 2.4GHz | 5GHz |
|---|---|---|
| 速度 | △ 遅め | ◎ 速い |
| 障害物への強さ | ◎ 強い | △ 弱い |
| 到達距離 | ◎ 長い | △ 短い |
| 電波干渉 | △ 受けやすい | ◎ 受けにくい |
| おすすめ用途 | 遠い部屋・壁が多い場所 | ルーター近くで高速通信 |
切り替え方法
- スマホやPCのWi-Fi設定を開く
- 接続先一覧に「〇〇-A」「〇〇-G」のように2つ表示される
- 「A」や「5G」がついている方が5GHz帯
- 「G」や何もついていない方が2.4GHz帯
- 届かなかった部屋では2.4GHz帯を試してみる
ポイント
- 寝室や離れた部屋には2.4GHz
- リビングや書斎など近い場所では5GHz
- 両方試して電波の強い方を選ぶ
Wi-Fiの5GHzと2.4GHzの違いを詳しく知りたい方は、こちらの記事もおすすめです。

中継器を設置する
ルーターの位置変更でも改善しない場合は、中継器の導入を検討しましょう。
Wi-Fi中継器とは? ルーターの電波を受信して、さらに遠くまで飛ばす機器です。コンセントに挿すだけで使える手軽さが魅力です。
中継器のメリット
- 価格が安い(3,000円〜8,000円程度)
- 設定が簡単(WPSボタンで自動接続)
- コンセントに挿すだけで使える
- 既存のルーターをそのまま使える
中継器のデメリット
- 速度が多少落ちる場合がある
- 部屋を移動すると接続が切り替わらないことがある
- 複数台設置すると管理が複雑
おすすめの中継器
| 製品名 | 価格帯 | 特徴 |
|---|---|---|
| TP-Link RE200 | 約3,000円〜 | コスパ◎、初心者向け |
| Buffalo WEX-733DHP2 | 約4,000円〜 | 日本メーカー、コンパクト設計 |
| NEC Aterm W1200EX | 約5,000円〜 | 広範囲カバー、高出力タイプ |
| TP-Link RE700X | 約7,000円〜 | Wi-Fi 6対応、高速通信対応 |
設置のコツ
- 中継器の設置場所: ルーターと届かない部屋の中間地点
- 電波強度の確認: 中継器のLEDランプで電波状態をチェック
- 高さの調整: 床から1m以上の高さに設置
設定手順(WPS対応の場合)
- 中継器をコンセントに挿す
- ルーターのWPSボタンを押す(約2秒)
- 中継器のWPSボタンを押す(約2秒)
- ランプが点灯すれば接続完了(約2分)
メッシュWi-Fiを導入する
より快適なWi-Fi環境を求めるなら、メッシュWi-Fiがおすすめです。
メッシュWi-Fiとは? 複数の機器(親機+子機)を設置して、家全体を網(メッシュ)のようにWi-Fiでカバーするシステムです。
メッシュWi-Fiのメリット
- 家中どこでも安定した速度
- 部屋を移動しても自動で最適な機器に接続
- 複数台設置しても管理が簡単(1つのネットワーク名)
- 速度低下が少ない
- デザインがおしゃれ
メッシュWi-Fiのデメリット
- 価格が高い(15,000円〜40,000円)
- 既存ルーターを交換する必要がある
- 複数台購入が必要(2〜3台セット)
中継器との比較表
| 項目 | 中継器 | メッシュWi-Fi |
|---|---|---|
| 価格 | 3,000円~8,000円 | 15,000円~40,000円 |
| 設置台数 | 1台から | 2台セットから |
| 速度 | △ やや低下 | ◎ 安定 |
| 移動時の切り替え | △ 手動の場合も | ◎ 自動 |
| 設定の簡単さ | ◎ カンタン | ◎ カンタン |
| 管理 | △ 台数が増えると複雑 | ◎ 一括管理 |
| おすすめの人 | 予算重視 1~2部屋対策 | 快適性重視 広い家 |
おすすめのメッシュWi-Fi
| 製品名 | 価格帯 | カバー範囲 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| TP-Link Deco X20 (2台) | 15,000円〜 | 約160㎡ | コスパ◎、Wi-Fi 6対応、初心者向け |
| Google Nest Wifi (2台) | 25,000円〜 | 約180㎡ | Googleアシスタント内蔵、スマートホーム連携 |
| Buffalo WRM-D2133HP (2台) | 18,000円〜 | 約140㎡ | 日本メーカー、サポート充実 |
| ASUS ZenWiFi AX (2台) | 35,000円〜 | 約250㎡ | 超高速、広い家・3階建て向け |
設置のコツ
- 親機は家の中心に
- 子機は届かない部屋の近くに
- 各機器の距離は10〜15m以内が理想
設定手順(TP-Link Decoの例)
- スマホに専用アプリをダウンロード
- 親機を既存ルーターに接続
- アプリの指示に従って初期設定
- 子機をコンセントに挿してアプリで追加
- 最適な場所にLEDランプを見ながら配置
ルーターを最新機種に買い替える
古いルーターを使っている場合は、買い替えも効果的です。
買い替えを検討すべきタイミング
- 購入から5年以上経過
- Wi-Fi 5(11ac)以前の規格
- 接続台数が10台未満
- ビームフォーミング非対応
- 最新のスマホやPCを購入した
最新ルーターの主な機能
- Wi-Fi 6(11ax)対応: 速度と安定性が大幅向上
- ビームフォーミング: 端末の位置を検知して電波を集中
- MU-MIMO: 複数端末に同時通信可能
- バンドステアリング: 自動で最適な周波数帯に接続
おすすめルーター(間取り別)
| 間取り | 製品例 | 価格帯 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 1LDK〜2LDK | Buffalo WSR-1800AX4S | 8,000円〜 | コンパクト、Wi-Fi 6対応 |
| 3LDK〜4LDK | NEC Aterm WX3600HP | 12,000円〜 | 中継機能あり、安定性◎ |
| 一戸建て | TP-Link Archer AX73 | 15,000円〜 | 高出力、広範囲カバー |
| 大型住宅・3階建て | ASUS RT-AX86U | 25,000円〜 | ゲーミング対応、超高速 |
部屋ごとのおすすめ対策例
具体的な住宅タイプ別に、おすすめの対策を紹介します。
一戸建て(2階・3階)でWi-Fiが届かない場合
よくある状況
- 1階にルーター → 2階の寝室に届かない
- 1階リビング → 3階の子供部屋に届かない
おすすめ対策の優先順位
| 対策内容 | 費用目安 | 効果 |
|---|---|---|
| ルーターを1階と2階の中間に設置 | 無料 | ★★☆ |
| 2階に中継器を設置 | 3,000円〜 | ★★★ |
| メッシュWi-Fiを各階に設置 | 15,000円〜 | ★★★★ |
| 各階にLANケーブルを配線 | 工事あり | ★★★★★(最も安定) |
3階建ての場合の推奨構成
3階:メッシュ子機・中継器
⇅ 無線接続
2階:ルーター(中心に設置)
⇅ 無線接続
1階:メッシュ子機・中継器
マンションで奥の部屋に電波が届かない場合
よくある状況
- 玄関にルーター → 奥の寝室に届かない
- リビングにルーター → 隣の部屋に届かない
- コンクリート壁が多く電波が弱い
おすすめ対策の優先順位
| 対策内容 | 費用目安 | 効果 |
|---|---|---|
| ルーターを家の中心に移動 | 無料 | ★★☆ |
| 2.4GHz帯に切り替え | 無料 | ★★☆ |
| 中継器を廊下に設置 | 3,000円〜 | ★★★ |
| メッシュWi-Fi導入 | 15,000円~ | ★★★★ |
マンションでの注意点
- コンクリート壁は電波を大きく減衰させる
- 隣家のWi-Fiが多く2.4GHz帯が混雑しやすい
- 配線の都合で玄関にルーターがあることが多い
理想的な配置例(3LDKマンション)
リビング:ルーター ⇄ 廊下:中継器 ⇄ 洋室
よくある質問|Wi-Fiが届かないときの対処Q&A
Wi-Fiが届かないときによくある質問をまとめました。簡単な確認で改善できるケースも多いので、ぜひ順にチェックしてみてください。
中継器とメッシュWi-Fiの違いは?
中継器は既存ルーターの電波を延長する安価な機器(3,000円〜)。メッシュWi-Fiは複数機器で家全体をカバーする仕組み(15,000円〜)。1〜2部屋なら中継器、広い家ならメッシュWi-Fiがおすすめです。
ルーターはどこに置くのがベスト?
家の中心・床から1〜2mの高さ・障害物の少ない場所が理想です。押入れや床置き、電子レンジ・金属製家具の近くは避けましょう。
スマホだけ繋がらないときは?
再起動→Wi-Fi再接続→機内モードON/OFF→ネットワーク設定リセットの順で試しましょう。改善しない場合は、ルーターの接続制限やスマホ側の不具合が原因の可能性があります。
まとめ|Wi-Fiが届かない部屋は「設置場所+機器」で解決
Wi-Fiが届かない部屋の問題は、原因を正しく理解すれば必ず改善できます。
まずは無料でできる対策から試してみましょう。
- 無料でできる対策
- ルーターの設置場所を見直す(家の中心・高さ・障害物を避ける)
- 2.4GHz/5GHzの周波数帯を切り替える
- ルーターを再起動する
- 機器を使った改善策
- 1〜2部屋だけ届かない → 中継器(3,000円〜)
- 家全体を快適にしたい → メッシュWi-Fi(15,000円〜)
- 古いルーターを使用中 → 最新ルーターに買い替え
状況別のおすすめ
| 状況 | 対策 |
|---|---|
| 一戸建て | メッシュWi-Fiを各階に配置 |
| マンション | 中継器を廊下に設置 |
| 予算重視 | ルーター位置変更+中継器1台 |
| 快適性重視 | メッシュWi-Fi導入 |
電波が届かない部屋があると、せっかくの高速回線も十分に活かせません。
この記事で紹介した方法を試して、家中どこでも快適なWi-Fi環境を実現しましょう!
HIROWi-Fiが届かない部屋には中継器を利用して、快適なネット環境を整えてみましょう。


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