5Gの急速な普及によって「もう光回線はいらないのでは?」と疑問を抱く人が増えています。
確かに5Gは新たな通信技術として、光回線を超える!とメディアを騒がしていました。
しかしながら現状の5Gを見ていると、光回線のスペックには遠く及びません。
そこで本記事では、5Gが普及しても光回線が必要である理由と、それぞれの違いや特徴について解説していきます。
5Gのエリアに住んでいるので、光回線ってもういらないのでは?と疑問に思っている人は、ぜひ最後までお付き合いください。
この記事を書いた人:ひろぽん
通信業界歴15年の副業ブロガー。光回線やIoT機器などを提案中。本ブログは、忖度なしに色々なサービスをレビューしています。
5Gが使えたら光回線はいらない?
結論:いいえ。
コンテンツによっては、5Gより光回線の利用をおすすめします。
ということで、なぜ5Gが普及しても光回線が必要なのかを解説していきます。
現状の5Gは本来の5Gではない!
大都市圏を中心に5Gの提供エリアは広がっていますが、実は今使えている5Gは4G回線を改良した「なんちゃって5G(Sub6)」なんです。
回線 | 利用される周波数 |
---|---|
5G(ミリ波) | 28GHz帯 |
5G(Sub6) | 6GHz帯 |
4G | 3.6GHz帯 |
というのも、ミリ波のような周波数の高い電波は建物や壁に遮られやすく、現状ではほとんどのエリアが圏外になってしまいます。
そこで4Gのアンテナが流用でき、遮蔽物にも強いSub6を展開することで、短期間・低コストで5Gエリアを広げることができたわけです。
5Gの最大速度は20Gbpsと言われていますが、Sub6の電波では実現できません。
そのため、メディアを騒がせていた自動運転や遠隔医療といった夢のような暮らしが実現されるのは、まだまだ遠い未来の話となります。
光回線の方が通信速度が速い!
現行の5G(Sub6)では、まだまだ光回線の速度には及びません。
光回線 | ホームルーター | |
---|---|---|
下り | 361.5Mbps | 138.0Mbps |
上り | 350.9Mbps | 18.7Mbps |
Ping | 27.2ms | 81.4ms |
光回線と5G対応のホームルーターの平均速度を比較しましたが、すべての項目で光回線の方が速いという結果となりました。
5Gが光回線よりも速くなるという話も、今ではすっかり聞かなくなりました。
そのため、テレワークやオンラインゲームなどのデータ容量が大きいコンテンツを利用する場合には、光回線の利用がおすすめです。
5Gは使いすぎると遅くなる!
5Gは容量無制限プランを利用していても、使いすぎると速度が制限されてしまいます。
直近3日間のデータ利用量が特に多いお客さまは、それ以外のお客さまと比べて通信が遅くなることがあります。
引用元:ドコモhome5G ご注意事項
制限される容量は明記されていませんが、光回線よりも制約が多いことは事実です。
またドコモhome5Gの注意事項を挙げましたが、auホームルーターやソフトバンクエアーでも同様の注意事項が記載されています。
途中で遅くなってしまうと、イライラしますよね。
そのため、データ容量が大きいとされるテレワークやオンラインゲームを利用するなら、光回線を契約しておいた方が無難です。
今後期待される5Gの3つの特徴
近年の通信技術の中でも特に5Gが注目されているのは、画期的な3つの特徴にあります。
- 驚異の高速・大容量通信
- ラグを感じないスムーズな通信
- 多くの機器を同時に接続できる
5Gの特徴を活かすことで、未知のサービスや新しいビジネスのチャンスが広がります。
参考資料:
第5世代移動通信システム(5G)の今と将来展望(総務省)
驚異の高速・大容量通信
5G(特にミリ波)の真骨頂とも言えるのが、その驚異の高速・大容量通信です。
回線 | 最大通信速度 |
---|---|
5G(ミリ波) | 最大20Gbps |
4G | 最大1Gbps |
5G(ミリ波)では最大通信速度が20Gbpsになることで、HD動画もわずか数秒でダウンロードが完了します。
4Gが各駅停車と例えると、5Gは新幹線並みに速いです。
さらに大容量通信の恩恵として、サッカーや野球などのスポーツ番組では、マルチアングルでの観戦も可能になります。
ラグを感じないスムーズな通信
5Gの魅力の1つが低遅延性で、4Gと比べて通信のラグが1/10にまで短縮されています。
回線 | 想定されるPing |
---|---|
5G(ミリ波) | 1ms |
4G | 10ms |
これにより遠隔地にいても、まるで現地にいるようなスムーズなやり取りが可能です。
4Gでも遠隔医療や自動運転はできますが、ラグによる危険性が排除できません。
しかし5Gの低遅延技術を利用すれば、遠隔医療による都会と地方の医療格差の解消や、自動運転での安全な運行が現実のものとなります。
多くの機器を同時に接続できる
5Gでは1平方kmあたり、最大100万台の端末と同時に接続ができるようになります。
回線 | 台数 |
---|---|
5G(ミリ波) | 100万台/1平方km |
4G | 10万台/1平方km |
さまざまな電化製品がインターネットに接続できるため、外出先でも操作が可能になります。
帰宅する前にエアコンをつけたり、お風呂の沸かせておくことも可能です。
5Gの多接続の特徴を活かすことで、IoT機器の更なる発展とともに、今まで以上に快適で便利な生活が実現します。
光回線が持つ魅力的な3つの特徴
5Gと同様に光回線においても、前身のADSLから大きな進化を遂げています。
- 通信の安定性が高い
- 提供エリアの広さ
- 容量制限がなく使い放題
5Gの弱点を光回線で補てんすることで、より快適な生活を実現することができます。
通信の安定性が高い
無線回線の5Gではどうしても通信の安定性に課題が残りますが、有線接続の光回線を利用すれば安定性を高めることができます。
特にテレワークやオンラインゲームにおいては通信の安定性が重要であり、現行の5Gでは途中で通信が途切れてしまうことも‥。
Zoomなどのビデオチャットで、音声が遅れたり落ちてしまったことはありませんか?
そのため、通信の安定性が求められるテレワークやオンラインゲームを行う場合には、光回線の利用をおすすめします。
提供エリアの広さ
5Gの提供エリアは人口の多い大都市圏に偏っていますが、光回線であれば日本全国どこでも利用することができます。
特に地方エリアや山間部などでは5Gの開通時期もわかっていないため、ますます大都市圏との通信格差が広がっていくことでしょう。
人口カバー率96.9%の光回線であれば、日本全国どこでも利用可能です。
そのため、大都市圏だけでなく地方エリアや山間部にお住まいの方にも、光回線は最適な通信方法と言えます。
容量制限がなく使い放題
スマートフォンの契約では料金プランによって容量が定められていますが、光回線には容量制限が設けられていません。
特にテレワークやオンラインゲームには大量のデータ通信が必要となるため、5Gでは途中で速度制限になってしまうことも‥。
テレワークを5Gで対応していたら、速度制限になってしまったという人も多いのでは?
そのため、データ容量を気にせずインターネットをフルに活用したい場合には、光回線がベストな選択と言えます。
5Gと光回線、どっちがおすすめ?
ここでは5Gと光回線の特長を踏まえ、それぞれのタイプ別に最適な回線を解説します。
5Gがおすすめなのはこんな人
以下のような特徴やニーズを持つ方に、5Gは向いています。
- どこでもネットを利用したい人
- すぐにインターネットを始めたい人
- テキスト中心のサイトを閲覧する人
- 転勤や出張が多いビジネスマン
- 自分だけしかネットを使わない人
5Gは開通工事の必要がなく、電波さえ届けばすぐにインターネットが楽しめる点が魅力です。
シンプルで手軽な使い方を求める方に、5Gは最適な選択と言えるでしょう。
光回線がおすすめなのはこんな人
以下のような特徴やニーズを持つ方であれば、光回線の利用をおすすめします。
- テレワークで仕事をする人
- 動画コンテンツを頻繁に観る人
- オンラインゲームをプレイする人
- 転勤がないビジネスマン
- 家族全員でネットを活用する人
光回線の利用には開通工事が必要ですが、安定した通信環境は5Gでは実現できません。
そのため、頻繁にデータ容量が大きい通信を行う場合には、光回線が最適な選択と言えます。
FAQ:5Gと光回線について
最後に5Gと光回線について、よくある質問をまとめます。
5Gと光回線の利用料金は?
5Gでは利用端末や利用量に応じて、月額料金が変動します。
一方、光回線の多くは定額制で、使用量に関わらず料金は変わりません。
5Gと光回線の利用できるエリアは?
5Gは大都市圏を中心にエリアが拡大していますが、地域によっては未だ3Gしか利用できません。
対する光回線の人口カバー率は96.9%のため、日本全国で利用ができます。
5Gと光回線はどっちが速い?
理論上の速度では、5Gの方が速いと言われています。
しかし、実際の利用環境では光回線の方が速く、より安定しています。
5Gと光回線に速度制限がありますか?
5Gの場合には利用量に応じて、速度制限が設けられています。
光回線は利用量の制限が設けられていないため、基本的には使い放題です。
5Gと光回線の選択基準は?
主に利用するコンテンツによって、5Gと光回線を選択しましょう。
テキスト中心のウェブサイトやSNSの閲覧なら、5Gでも十分です。
オンラインゲームなどの容量が大きい場合には、光回線がおすすめです。
まとめ:5Gが普及しても光回線は不要にならない!
5Gと光回線の主な特徴をまとめました。
回線 | 主な特徴 |
---|---|
5G(ミリ波) | 大容量、高速通信 リアルタイム性の向上 同時接続数の増加 |
光回線 | 通信速度の安定性 提供エリアの広さ 利用量の制限がない |
5Gエリアは日々拡大されていますが、大容量・高速通信が可能なミリ波ではなく、6GHz以下のSub6が主流となっています。
Sub6の5Gだと、4Gの通信速度とそれほど変わりません。
そのため、テキスト中心のウェブサイトやSNSの閲覧ならば光回線はいらないでしょう。
しかし、テレワークやオンラインゲームなどのデータ容量が大きいコンテンツを利用する場合には、安定性の高い光回線がおすすめです。
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