賃貸物件の「インターネット無料」は、毎月の通信費を抑えられる魅力的な設備に見えます。
私も大阪へ転勤したとき、新築できれいだったことに加え、月4,000円ほどのネット代が浮くと思い、インターネット無料のマンションを選びました。
ところが、実際に使い始めると、夜はYahoo!すらまともに開きません。管理会社へ改善を求めても状況は変わらず、退去するまでの6年間、遅い回線を使い続けました。
この記事では、インターネット無料の賃貸で実際に困った体験や回線が遅くなる原因、契約前に確認することを、通信会社に勤める筆者が解説します。
インターネット無料の新築マンションを選んだ理由

大阪への転勤が決まり、新しく住む賃貸物件を探し始めました。そこで見つけたのが、希望するエリアに建った新築マンションです。
物件の条件に加えて「インターネット無料」という言葉にもひかれ、ここなら快適に暮らせそうだと思いました。
大阪への転勤で住みたいエリアから物件を探した
大阪への転勤が決まり、通勤や生活のしやすさから、住むエリアを絞りました。
会社から社宅手当が多少出るため、とにかく家賃の安い物件を探していたわけではありません。
せっかく引っ越すなら、家賃が少しくらい高くても、立地や設備のよいところに住みたいと思っていました。
完成したばかりで設備も室内もきれいだった
希望するエリアで見つけたのが、完成したばかりの新築マンションです。
外観だけでなく、室内や水回りもきれいで、設備も新しいものでした。これから大阪で生活を始めるなら、ここに住みたいと思える物件です。
新築なので、インターネット設備も新しく、回線速度も問題ないだろうと思っていました。契約前は、無料回線が遅い可能性まで考えていませんでした。
毎月約4,000円のネット代が浮くと思った
家賃は少し高めでしたが、物件情報には「インターネット無料」と書かれていました。
当時、光回線を個別に契約すれば、毎月4,000円ほどかかります。この賃貸物件なら、その月額料金を支払う必要がありません。
社宅手当が出るうえに、毎月のネット代もかからない。それなら家賃が少しくらい高くても問題ないと考えたことが、この賃貸物件を選ぶ大きな決め手になりました。
インターネット無料の回線は夜になると使い物にならなかった

募集チラシにインターネット無料と書かれていたため、入居前は普通にネットが使えるものだと思っていました。
しかし、実際は時間帯によって速度が大きく変わります。特に利用者が増える夜は、まともに使えない状態でした。
Yahoo!すら開かないほど速度が遅かった
朝は途中で止まりながらも、YouTubeを見られることがありました。
ところが、夜になると状況が一変します。動画が止まるどころか、Yahoo!のトップページすらまともに開きません。
画像の少ないWebサイトでも表示に時間がかかるため、何かを検索するだけでもストレスがたまります。
インターネット無料といっても、これでは使える回線とはいえませんでした。
スマホゲームにも支障が出た
当時は、スマホでモンストや荒野行動をよく遊んでいました。
どちらもインターネットへ接続するため、回線が遅いとゲームにも支障が出ます。特に夜は通信が安定せず、快適に遊べませんでした。
結局、ゲームをするときはWi-Fiを切り、スマホのモバイル通信を使うことが増えていきました。
自宅にインターネット無料の設備があるのに、スマホの通信容量を消費してゲームをしていたことになります。
Wi-Fiルーターを替えても改善しなかった
最初は、部屋で使っているWi-Fiルーターが原因ではないかと考えました。
そこで、会社から別のWi-Fiルーターを借りて接続してみました。しかし、夜になると遅くなる状況は変わりません。
ルーターを替えても改善しなかったため、部屋のWi-Fi環境だけが原因ではなさそうでした。
当時は建物側の設備まで確認できませんでしたが、入居者が自分でWi-Fiルーターを替えるだけでは解決できない問題でした。
管理会社へ訴えても変わらなかった

インターネットがほとんど使えないため、思い切って管理会社へ改善を求めました。
入居者側では通信会社や建物内の設備を変更できません。管理会社から通信会社へ伝えてもらうしかありませんでした。
通信会社へ伝えると言われただけ
管理会社には、夜になるとインターネットが遅くなり、まともに使えないことを伝えました。
しかし、担当者から返ってきたのは、「通信会社に言っておきます」という言葉だけです。
詳しい状況を確認されたわけでもなく、いつまでに回答するという話もありませんでした。
それでも、管理会社から通信会社へ伝われば、何か対応してもらえるだろうと思っていました。
その後は回答すらなかった
管理会社へ相談したあとも、通信会社から連絡が来ることはありませんでした。
管理会社からも、通信会社へ確認した結果や、回線が遅くなっている原因について説明されていません。
改善できないという回答すらなく、そのまま放置された状態です。
こちらから訴えても何も返ってこないため、次第に改善を期待しなくなりました。
退去するまで回線は改善されなかった
管理会社へ相談したあとも、夜になるとインターネットが遅くなる状況は変わりませんでした。
建物側で設備を交換したという案内もなく、通信速度が改善された実感もありません。
結局、マンションを退去するまで、まともに使えない状態が続きました。
インターネット無料の物件は、入居者が通信会社を変更できません。これが、インターネット無料の賃貸で特に困った点でした。
インターネット無料なのに通信費は安くならなかった

インターネット無料の賃貸なら、毎月の通信費を抑えられるはずでした。
しかし、ネットはまともに使えません。自宅でもモバイル通信に頼ったため、思っていたような節約にはなりませんでした。
Wi-Fiを切ってスマホの通信容量を使っていた
夜はネットが遅いため、自宅にいてもWi-Fiを切り、スマホのモバイル通信を使っていました。
Webサイトやスマホゲームはモバイル通信で利用できます。しかし、YouTubeなどの動画を見ると通信容量が一気に減るため、見たい動画があっても我慢していました。
インターネット無料の賃貸に住みながら、自宅でネットを自由に使えない状態でした。
auの大容量プランに月7,000円近く払っていた
自宅でもモバイル通信を使うため、スマホは通信容量の多いプランを契約していました。
当時利用していたのは、auの大容量プランです。毎月のスマホ料金は、7,000円近くもかかっていました。
インターネット無料の賃貸物件を選び、ネット代を浮かせるつもりでした。しかし、大容量プランを契約した分、スマホ料金は高くなってしまいました。
さらに、通信容量を気にして動画を我慢するなど、ネットの自由度まで下がりました。
光回線を契約する気にはなれなかった
個別に光回線を契約すれば、インターネットの遅さは解決できたかもしれません。
ただ、家賃にはインターネットの利用料も含まれています。それなのに、さらに毎月4,000円ほど払って光回線を契約することには抵抗がありました。
無料で使えるはずの設備があるのに、別の回線へ料金を払うのは、二重にネット代を負担するように感じたからです。
その結果、個別に光回線を契約しないまま、遅いインターネットを使い続けました。
関東へ戻って個別に光回線を契約した結果

大阪の賃貸物件を退去して関東へ戻ったあと、個別に光回線を契約しました。
インターネット無料の回線を使っていた頃とは、通信速度だけでなく、毎月の通信費も大きく変わりました。
インターネット無料との速度差に驚いた
関東へ戻って契約したのは、NURO光です。
自宅で速度を測ると、下り900Mbps前後出ることもあります。Yahoo!はすぐに開き、YouTubeも途中で止まりません。
インターネット無料の賃貸物件に住んでいた頃は、夜になるとネットが使い物にならず、Wi-Fiを切るのが当たり前でした。
時間帯や通信容量を気にせず、自宅でネットを使えるようになったことが一番の違いです。
スマホのプランを3GBに変更できた
自宅ではNURO光を使えるため、スマホのモバイル通信は外出時しか使わなくなりました。
大容量プランを契約する必要もなくなり、現在はpovoで3GBのデータ容量を購入しています。
YouTubeなどの動画も自宅のネットで見られるため、以前のように通信容量を気にして我慢することはありません。
光回線を契約したことで、スマホは必要最低限のデータ容量で足りるようになりました。
個別回線を契約した方が通信費も安かった
現在支払っているのは、NURO光が月3,200円、povoの3GBが990円です。
光回線とスマホを合わせても、毎月の通信費は4,190円に収まっています。
大阪に住んでいた頃は、インターネット無料の賃貸物件を選びながら、auの大容量プランに月7,000円近く払っていました。
個別に光回線を契約した現在は、ネットが自由に使えて、毎月の通信費も安くなっています。
インターネット無料の賃貸物件はなぜ速度が遅い?

インターネット無料の賃貸は、建物へ引き込んだ回線を入居者で共有します。多くの人が同時に使う夜は、回線が混雑しやすくなります。
さらに、建物内の配線方式や共用部に設置された通信機器によって、最大速度が制限されることもあります。
建物全体で回線を共有するため夜は混雑しやすい
インターネット無料の賃貸物件では、各部屋に専用の光回線が引かれているとは限りません。建物に引き込まれた回線を、複数の入居者で共有しているケースが一般的です。

上の図のように、それぞれの部屋から発生した通信は、建物内の通信機器を経由して共通の回線へ集まります。
利用者が少ない時間帯は問題なくても、複数の部屋で動画やゲーム、オンライン会議などが同時に始まると、通信が一か所へ集中します。道路に車が集まって渋滞するのと同じで、データの通り道が混雑して速度が落ちる仕組みです。
特に夜は、仕事や学校から帰宅した入居者が一斉にネットを使います。そのため、昼間は普通に使えても、夜になると動画が止まったり、Webサイトが開きにくくなったりします。

私が住んでいた賃貸物件も、朝はYouTubeを見られることがありました。しかし、夜はYahoo!すら開かない状態でした。
配線方式によって最大速度が変わる
建物まで光回線が引かれていても、すべての物件で最大1Gbpsの速度が出るわけではありません。共用部から各部屋まで、どのような配線を使っているかによって最大速度が変わります。
インターネット無料の賃貸物件で使われている主な配線方式は、光配線方式・LAN配線方式・VDSL方式の3つです。


光配線方式は、建物の共用部から各部屋まで光ファイバーを引き込みます。個別に光回線を契約する場合も基本的にはこの配線方式となり、最大1Gbpsで通信できます。
LAN配線方式は、共用部の通信機器から各部屋までLANケーブルで接続します。建物内の設備が1Gbps対応であれば最大1Gbpsですが、通信機器やLANケーブルが古い物件では最大100Mbpsに制限されます。
VDSL方式は、各部屋までの配線に電話ケーブルを利用します。最大速度は100Mbpsとなり、最大1Gbpsの光配線方式と比べると理論上の速度は10分の1です。
このように、建物まで光回線が引かれていたとしても、配線方式によっては最大100Mbpsしか出ません。インターネット無料の物件を選ぶときは、回線の有無だけでなく配線方式も確認する必要があります。


共用部の通信機器が速度を制限する
インターネット無料の賃貸物件では、建物の共用部に設置された通信機器を経由して、各部屋へインターネットを分配します。


上の図のように、最大1Gbpsの光回線が引かれていても、共用部の通信機器が最大100Mbpsまでしか対応していなければ、各部屋の最大速度も100Mbpsに制限されます。
共用部の通信機器は、各部屋に設置するWi-Fiルーターよりも手前にあります。そのため、建物側の機器が速度低下の原因なら、自分の部屋にあるWi-Fiルーターを新しくしても速度の上限は変わりません。
また、共用部の通信機器を入居者が自分で交換することはできません。管理会社や通信会社が設備を更新しない限り、最大速度は制限されたままです。



私もWi-Fiルーターを交換してみましたが、建物側の設備にも原因があったので、速度は改善しませんでした。
インターネット無料の賃貸を選ぶ前に確認すること


インターネット無料と書かれているだけでは、回線速度や接続方法までは分かりません。
契約してから後悔しないために、不動産会社や管理会社へ次の3点を確認しておきましょう。
各部屋の最大速度を確認する
物件情報に「最大1Gbps」と書かれていても、各部屋の最大速度とは限りません。管理会社へ、室内で利用できる最大速度を確認しましょう。
管理会社が把握していなければ、サービス名や案内資料がないか聞いてみます。ただし、入居前は通信会社へ問い合わせても、契約内容を教えてもらえないことがあります。
実際の通信速度は、入居して使ってみなければ分かりません。それでも、最大速度すら分からない物件では、インターネット無料を決め手にしない方がよいと思います。
備え付けのWi-Fiルーターを確認する
インターネット無料の賃貸物件では、Wi-Fiルーターが備え付けの物件もあります。
ただし、設置されている機種が古いと、建物の回線が速くてもWi-Fiの速度は伸びません。最大1Gbpsの回線でも、ルーター側が100Mbpsまでしか対応していない場合があります。
内見時にルーターの機種を確認し、古い場合は自分で交換できるか管理会社へ聞いておきましょう。回線速度だけでなく、部屋で使うWi-Fiルーターの性能も重要です。
個別に光回線を契約できるか確認する
インターネット無料の回線が遅かった場合に備えて、個別に光回線を引けるか管理会社へ確認しておきましょう。
賃貸物件で開通工事をするには、管理会社や大家の許可が必要です。仮に許可が出ても、建物の構造や配管によっては光回線を引けないことがあります。
個別回線を引けない物件では、インターネット無料の回線が遅くても使い続けるしかありません。ネットをよく使うなら、個別回線を引ける賃貸物件を選んだ方が無難です。
入居後に無料インターネットが遅かったときの対処法


入居後にネットが遅いと分かったら、まずは原因が部屋側なのか建物側なのかを確認します。
入居者側の対応だけでは改善しない場合もあるため、順番に原因を切り分けていきましょう。
接続方法と時間帯を変えて速度を測る
最初に、Wi-Fi接続とLANケーブルによる有線接続の両方で速度を測ります。
有線接続では速い場合、Wi-Fiルーターや電波環境が原因です。有線接続でも遅ければ、建物側の回線や通信機器に原因がある可能性があります。
加えて、朝と夜の時間帯変えて速度を比較しましょう。昼間は比較的速く、夜が著しく遅くなる場合には、入居者が同時にネットを使ったことで回線が混雑していると考えられます。
測定結果を示して改善を求める
管理会社へ相談するときは、「ネットが遅い」と伝えるだけでは状況が分かりません。
測定した日時・接続方法・通信速度をまとめて伝えます。朝と夜の結果を見せれば、時間帯によって速度が落ちていることも説明できます。
私のように対応してもらえない可能性はありますが、具体的な測定結果があれば、通信会社へ調査を依頼してもらいやすくなります。
改善しなければ別のインターネット回線を契約する
管理会社へ相談しても一向に速度が改善しなければ、インターネット無料の回線を使い続ける必要はありません。
管理会社の許可を得て個別に光回線を契約するか、工事ができない/拒否されてしまった場合はホームルーターを検討しましょう。
動画やゲーム、在宅勤務でネットを頻繁に利用するなら、我慢し続けるのは大きなストレスです。毎月の料金はかかっても、自由に使える回線を契約した方が快適な生活を送れます。
インターネット無料の賃貸はやめとけと言われる理由


インターネット無料の賃貸が厄介なのは、入居前に実際の速度を確認しにくいことです。昼間は快適に使えても、入居者が増える夜に極端に遅くなることがあります。
もし入居後に遅いと分かっても、自分で通信会社や共用部の機器を変更できません。管理会社へ改善を求めても、私のように何も対応してもらえないこともあります。
私はネット代を浮かせるつもりで選びましたが、実際はスマホの大容量プランに月7,000円近く払っていました。しかも容量を気にして、YouTubeを見るのを我慢していたほどです。
動画やゲームでネットを頻繁に使う人は、インターネット無料を理由に賃貸物件を選ぶのはやめた方がいいです。速度の当たりハズレが大きいため、個別に光回線を契約しましょう。
インターネット無料の賃貸物件に関するよくある質問
インターネット無料の賃貸について、契約前や入居後に気になることをまとめました。
物件によって設備や契約内容が異なるため、分からないことは管理会社へ確認しましょう。
インターネット無料ならWi-Fiも無料?
インターネット無料でも、Wi-Fiまで用意されているとは限りません。
部屋にWi-Fiルーターが備え付けられていれば、そのままスマホやパソコンを接続できます。
しかし、LANの差込口しかない賃貸物件では、自分でWi-Fiルーターを購入する必要があります。
契約前に実際の通信速度を確認できる?
入居前に実際の通信速度を確認するのは難しいです。
内見は昼間に行うことが多いため、速度が確認できたとしても、利用者が増える夜の速度までは分かりません。
少なくとも、各部屋の最大速度と配線方式は契約前に確認しましょう。実際の速度が分からなくても、極端に遅い物件を選ぶリスクは減らせます。
Wi-Fiルーターを替えれば速くなる?
Wi-Fiルーターが古い場合は、交換すると速くなることがあります。
ただし、有線接続でも遅い場合や、夜だけ極端に遅くなる場合は、建物側の回線や通信機器が原因です。
私の場合は、回線自体が遅かったせいか、Wi-Fiルーターを交換しても速度は一切改善されませんでした。
インターネット無料の賃貸物件でも個別に光回線を契約できる?
管理会社や大家の許可が下りれば、個別に光回線を契約できます。
許可を取らずに勝手に光回線の工事を行うと、退去時に現状回復費用を請求される可能性があります。
ただし、許可をもらっても、建物の構造や配管の状況によっては工事ができない賃貸物件も存在します。
退去するときに解約手続きは必要?
インターネット無料の賃貸物件では、退去時の解約手続きは不要です。
通信会社と管理会社もしくは大家が建物全体で一括契約をしているため、入居者は何もする必要はありません。
ただし、Wi-Fiルーターや通信機器を個別にレンタルしている場合には、通信会社に返却する必要があります。
まとめ|インターネット無料はやめとけ!個別に契約した方がいい
私はネット代を浮かせるつもりで、インターネット無料の賃貸物件を選びました。しかし、夜はYahoo!すら開かず、管理会社へ訴えても退去するまで改善されませんでした。
自宅ではWi-Fiを切ってスマホのモバイル通信を使い、auの大容量プランに月7,000円近く払っていました。しかも通信容量を気にして、YouTubeを見るのを我慢していたほどです。
現在は個別にNURO光を契約し、下り900Mbps前後の速度が出ています。スマホもpovoの3GBに変更でき、光回線と合わせても毎月の通信費は4,000円程度まで下がりました。
動画やゲーム、在宅勤務でネットを頻繁に使うなら、インターネット無料を理由に賃貸物件を選ぶのはやめましょう。毎月の料金を払ってでも、個別に光回線を契約した方が快適です。



速度にこだわる方は、NURO光がおすすめです。料金を重視する方には、縛りなしの格安光回線をおすすめしています。


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