光回線の速度が遅いときは?原因と改善策を通信のプロがやさしく解説

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なぜ光回線なのに通信速度が遅いのか?

光回線を使っているのに、いつも遅くて困ってます。

動画が止まる、ページが重い、ゲームでラグが出る…。そんな声を、X(旧Twitter)などのSNSでもよく見かけます。

  • ルーターを買い替えたのに改善しない
  • プロバイダを変えれば改善するの?

こうした悩みは、決して珍しくありません。

ですが実際には、光回線の速度が遅くなる原因を見極めずに対策しても、効果が出ないケースがとても多いのが現状です。

そこで本記事では、通信会社に勤める筆者が、光回線の速度が遅くなる原因とその改善策をわかりやすく解説していきます。

光回線の速度が遅くて、いつもイライラしてる!という方は、本記事の内容に沿って、まずご自宅の環境を1つずつチェックしてみましょう。

目次

光回線の速度が遅い原因とは?|よくある7つのパターンで解説

光回線が遅い原因とは?

光回線を契約しているのに「なんだか遅い」と感じる原因は、実はひとつではありません。

回線の混雑やWi-Fi環境、契約内容など、複数の要素が絡んでいるケースがほとんどです。

ここでは、通信のプロとしての視点から、速度が遅くなる代表的な7つの原因をわかりやすく解説します。

IPv4で接続している(混雑しやすい)

現在、多くの家庭で使われているインターネット接続方式は「IPv4(アイピーブイフォー)」です。これは古くから使われている仕組みで、今では利用者が多すぎて“回線が渋滞しやすい”状態になっています。

IPv4では、同じ地域の利用者が、ひとつの通り道(ネットワーク)を共有しているようなイメージです。このため、夕方や夜などの混雑時間帯には、他の人の通信が影響して自分の速度も遅くなってしまうことがあります。

どれだけ性能のよいルーターを使っていても、接続方式がIPv4のままだと、地域内の“通信の取り合い”に巻き込まれやすいのが難点です。

1ギガ未対応のルーターやLANケーブルを使っている

光回線そのものは高速だったとしても、1ギガ未対応の古い機器を使っていると、その性能を十分に活かすことができません。

たとえば、Wi-Fiルーターの通信規格が「Wi-Fi 4(11n)」だった場合、実際の速度は100Mbps以下に制限されてしまうこともあります。

また、LANケーブルの規格が「Cat.5以前」だと、最大100Mbpsまでしか対応しておらず、有線接続でも速度が出ません。

せっかく高速の光回線を契約していても、こうした古い機器がボトルネックとなり、「速度が遅い…」と感じる原因となってしまいます。

Wi-Fiが2.4GHz帯で接続されている

Wi-Fiには主に「2.4GHz帯」と「5GHz帯」の2種類の周波数があります。

このうち、2.4GHz帯は古くから使われている方式で、電波が遠くまで届きやすいという特長がある反面、弱点も多くあります。

まず、2.4GHz帯は電子レンジやBluetooth機器などと同じ周波数帯を使っているため、干渉を受けやすく、通信が不安定になりやすいという点が挙げられます。

さらに、壁や家具を通して届きやすい分、複数の部屋に届いてしまい、近隣住戸のWi-Fiと干渉する可能性も高くなります。

また、古いルーターでは2.4GHzしか使えないものもあり、5GHzと比べて通信速度が出にくく、混雑に弱いという弱点もあります。

通信が不安定・速度が出ないと感じたときは、2.4GHzでの接続になっていないか一度確認してみるとよいでしょう。

接続機器が多く、帯域を圧迫している

Wi-Fiルーターは、同時に接続できる機器の数に上限があります。

スマホ、パソコン、ゲーム機、スマート家電など、家庭内で多くの端末がWi-Fiに接続されていると、通信の“帯域”が圧迫されてしまいます。

帯域とは、通信の通り道のようなもので、同時に通信する機器が増えると、回線が渋滞して速度が落ちるといった現象が起きやすくなります。

この問題は、特に家族全員がネットを使う夕方以降や、動画視聴やゲーム・オンライン会議が重なる時間帯に起こりやすく、速度が不安定になる要因のひとつです。

接続端末が多すぎることに気づかないまま、「速度が遅い」とストレスを感じている人も少なくありません。

マンションの配線方式がVDSL

マンションで光回線を契約している場合でも、建物内の配線方式によっては速度が出にくいことがあります。

特に注意したいのが「VDSL方式(Very-high-bit-rate Digital Subscriber Line)」と呼ばれる配線方式です。

このVDSLは、建物の共用部までは光ファイバーで来ていても、各部屋までは電話線で通信する仕組みのため、最大100Mbps前後が限界となってしまいます。

また、同じ建物の利用者全員で回線を共有しているため、夜間などは特に速度が大きく落ち込む傾向があります。

契約内容やプロバイダには「光回線」と書かれていても、実際にはVDSLで接続されていることに気づいていないケースも少なくありません。

HIRO

回線の取り出し口が光コンセントではなく、電話コンセントだった場合には、VDSL方式で接続されています。

混雑時間帯(夕方〜夜)に速度が落ちる

光回線はベストエフォート型(最大値保証なし)のサービスであり、時間帯によって通信速度が変動するのが一般的です。

特に、夕方から夜にかけての時間帯(18時〜23時頃)は、多くの人が動画を見たり、オンラインゲームをしたりするため、回線全体が混みやすくなります。

この混雑は、地域内やプロバイダ全体で発生する現象のため、たとえWi-Fiルーターを最新のものにしても、回線そのものが混んでいれば速度の低下は避けられません。

また、集合住宅(マンションタイプ)や光コラボ系の回線では、光回線を共有する仕組みのため、特にこの影響を受けやすい傾向にあります。

根本的に改善するのが難しいケースもありますが、混雑が少ない独自回線(NURO光や電力系など)への切り替えがおすすめです。

プロバイダ側の障害や品質の問題

光回線の速度が遅く感じる原因は、自宅の設備や時間帯の混雑だけでなく、契約しているプロバイダの品質や障害にも大きく関係しています。

品質管理を怠っているプロバイダの場合、混雑時の帯域確保が不十分になり、夜になると著しく速度が低下するケースも少なくありません。

また、定期的なメンテナンスや障害が発生している場合、一時的に速度が落ちる、接続が不安定になるといった影響が出ることもあります。

プロバイダ側に原因があるかどうかを確認するには、以下のような方法があります。

  • 他の地域利用者も遅くなっているか、SNSや掲示板で確認する
  • 公式サイトの障害情報ページをチェックする
  • サポート窓口に問い合わせて現在の回線状況を聞いてみる

頻繁に速度が遅くなる・不安定になるといった状況が続くようであれば、光回線・プロバイダの乗り換えを検討するのも1つの方法です。

光回線の速度が遅いときの改善策|すぐできる見直しポイント

光回線が遅いときの対策

光回線の速度が遅いと感じたとき、いきなり回線やプロバイダを変える前に、まずは自宅の機器や設定を見直すのが基本です。

ルーターの規格や接続方式など、ちょっとした見落としが原因になっていることも珍しくありません。

ここでは、初心者でもすぐに確認できる代表的な改善ポイントを紹介します。

IPv6接続に切り替える(対応状況の確認)

IPv6は、回線の混雑に強い通信方式です。しかし、多くの人が「契約しただけで自動的にIPv6になる」と思い込んでおり、実はIPv4のまま使い続けているケースも少なくありません。

まずは、自宅がIPv6で接続できているかを確認してみましょう。

[IPv6の確認はこちら]

HIRO

IPv6のアドレスが表示されていれば、すでにIPv6で接続されています。表示されない場合は、次のどちらに原因があるかを確認してください。

IPv6に切り替わらない主な原因と対策

原因対処方法
プロバイダがIPv6非対応対応プロバイダへの乗り換えを検討する
IPv6オプションが未契約マイページやサポート窓口から申し込み可能
ルーターがIPv6非対応スペック表で対応状況を確認。必要に応じて買い替え
ルーター設定が無効になっている管理画面で「IPv6パススルー」や「v6プラス」を有効化する

設定変更が不安な方は、契約しているプロバイダに問い合わせれば、IPv6への切り替え方法を案内してもらえるケースも多いです。

▼ IPv4とIPv6の違いについては、こちらの記事に詳しくまとめました。

Wi-Fiの周波数を5GHzに切り替える

2.4GHzのWi-Fiは干渉に弱く、通信が不安定になりやすいため、より高速かつ安定した「5GHz帯」に切り替えることで改善が期待できます。

ほとんどのWi-Fiルーターは、2.4GHzと5GHzの両方の電波を出しており、それぞれ別のSSID(ネットワーク名)で表示されていることが多いです。

SSIDの確認方法

SSID周波数
my-home-2G2.4GHz
my-home-G
my-home-5G5GHz
my-home-A

スマホやパソコンのWi-Fi接続先を一覧から確認し、「5G」もしくは「A」と書かれたネットワークに接続することで、速度が改善するケースがあります。

5GHzの注意点

5GHz帯は干渉に強く速度も出やすいですが、壁や床などの障害物に弱く、ルーターとの距離が遠いと逆に通信が不安定になることもあります。

  • 同じ部屋なら5GHzが最適
  • 階をまたぐ、壁を挟む場所では2.4GHzのほうが安定する場合も

状況に応じて、使い分けたり、中継器を導入したりすることで快適な通信環境を保つことができます。

▼「2G」と「5G」どっちを選べばいいか迷ったときは、以下の記事も参考になります。

ルーターやLANケーブルを見直す

光回線を使っていても、「古いルーター」や「低規格のLANケーブル」を使用していると、本来の通信速度を十分に引き出せないことがあります。

特に、注意したいのが以下の2点です。

ルーターの通信規格を確認する

古いWi-Fiルーターでは、「Wi-Fi 4(11n)」やそれ以前の規格しか使えないものがあります。

この場合、最大でも100Mbps〜300Mbps程度しか出ず、1Gbps以上の光回線では大きく性能をロスしてしまいます。

Wi-Fi 5(11ac)やWi-Fi 6(11ax)対応のルーターを使うことで、より安定した高速通信が可能になります。

LANケーブルの規格も意外と盲点

有線接続している場合でも、LANケーブルの規格が古いと速度は出ません。

「Cat.5」以前のケーブルは最大100Mbpsまでしか対応していないため、最低でも「Cat.6A」以上のケーブルを使うのがおすすめです。

ケーブルの規格は、コネクタ付近に「Cat.6」「Cat.5e」などの印字で確認できます。

▼ 印字された規格(Cat.5eの場合)

LANケーブルのカテゴリーが印字されている場所

Wi-Fiの通信に問題がある場合は、まずは機器の対応規格をチェックし、必要に応じてルーターやケーブルを見直すだけでも、体感速度が大きく改善することがあります。

不要な機器の接続を減らす/中継器を導入する

家庭内でスマホやPC、ゲーム機、テレビなど、複数の機器がWi-Fiに常時接続されていると、必要のない機器が帯域を占有し、通信が圧迫されてしまうことがあります。

まずは、今使っていない機器のWi-Fi接続をオフにするだけでも、ネットの速度が改善するケースがあります。また、利用時間をずらしたり、一部の端末を有線LANに切り替えるのも有効です。

接続台数を減らしても改善しない場合は?

ルーターの電波が届きにくい部屋や、階をまたいで使っている場合は、中継器やメッシュWi-Fiを導入することで改善できる可能性があります。

  • 中継器は、ルーターと機器の中間に設置して、Wi-Fiの電波を広げる役割を果たします。
  • メッシュWi-Fiは、家全体を複数のルーターでカバーする仕組みで、複数台でも通信が安定しやすいのが特長です。

Wi-Fiが届きにくい、通信がブツブツ切れるといった悩みがある方には、中継器の導入が効果的な対策のひとつです。

VDSL方式なら戸建てタイプを契約する

マンションで光回線を契約している場合でも、建物内の配線方式が「VDSL方式」になっていると、速度の上限が100Mbps前後に制限されてしまいます。

このようなケースでは、いくらルーターやLANケーブルを見直しても、建物の配線そのものがボトルネックとなってしまい、大きな改善は見込めません。

そのため、プロバイダや管理会社に相談し、光配線方式への変更(=戸建てタイプ相当の契約)を検討することをおすすめします。

設備によっては対応できない場合もありますが、もし光コンセントが設置できれば、1Gbps以上の高速通信が可能になります。

もっと速度を求めるなら光回線の見直しも検討しよう

設定や機器を見直しても速度が改善しない場合、使っている光回線そのものに限界がある可能性もあります。

そんなときは、より速く・安定した回線への切り替えも検討してみましょう。

ここでは、速度重視の方におすすめの回線を3つ紹介します。

NURO光|独自回線で速さに定評あり

とにかく速い回線を求める方に人気なのが、ソニーネットワークコミュニケーションズが提供する「NURO光」です。

最大2Gbps(または10Gbps)のプランを独自回線で提供しており、混雑しにくく安定した高速通信が期待できます。

とくに、オンラインゲームや動画の高画質ストリーミング、リモートワークなど、上り下りの速度やPing値を重視したい方に向いています。

ただし、提供エリアが限られていたり、開通工事に時間がかかるケースがある点には注意が必要です。

特徴内容
回線タイプ独自回線(NTTコラボではない)
最大速度2Gbps or 10Gbps(選択可)
月額料金戸建て:5,200円
マンション:3,850円
エリア関東・東海・関西・九州など一部地域に限定
注意点工事が2回必要・エリア外も多い

\ 公式特設サイトはこちら /

ゲームも動画もサクサク!最大2ギガの爆速回線

▼ NURO光の実際の速度については、姉妹サイトで詳しくレビューしています。

enひかり|料金が安く、IPv6対応で混雑に強い

「とにかく安く、それでいて快適にネットを使いたい」という方におすすめなのが、縛りなし・低価格・IPv6対応がそろった「enひかり」です。

月額3,630円〜と非常にリーズナブルで、契約期間の縛りや解約金も一切なし。さらに、IPv6(v6プラス)に標準対応しているため、夜間でも速度が安定しやすいのが特長です。

爆速を求めるというよりは、「そこそこ速くてコスパの良い回線が欲しい」というユーザーに最適です。

特徴内容
回線タイプNTTフレッツ網(光コラボ)
最大速度1Gbps or 10Gbps(選択可)
月額料金戸建て:4,620円
マンション:3,630円
エリア全国対応
注意点契約期間の縛りなし
通常プランは、工事費あり/IPv6は別途契約

「高額キャッシュバック」などの派手な特典はないものの、最初から安く・長く・安心して使いたい人に向いている、実直な回線です。

\ 公式サイトはこちら /

月額3,520円でこの速さ。コスパ最強の光回線!

▼ enひかりの実際の速度については、こちらの記事で詳しくまとめました。

電力系光回線(コミュファ光・eo光など)|エリア限定でも安定性抜群

提供エリアは限られますが、回線の品質と安定性を重視する方におすすめなのが、電力会社系の光回線です。

代表的なサービスには、以下のようなものがあります。

  • コミュファ光(中部電力系)
  • eo光(関西電力系)
  • メガ・エッグ(中国電力系)
  • ピカラ光(四国電力系)
  • BBIQ光(九州電力系)

これらの回線は、NTTのフレッツ光とは異なる“独自の光ファイバー網”を使用しており、混雑の少なさと安定した速度に定評があります。

また、IPv6対応や10ギガプランなど、設備面でも最新水準に対応しているサービスが多いのも特長です。

特徴内容
回線網独自網(フレッツ非コラボ)で混雑しにくい
エリア地域限定(中部・関西・四国・中国など)
速度実測でも安定した高速通信を実現しやすい
注意点提供エリア外では利用不可/引っ越し時に解約の可能性あり

都市部ではあまり知られていませんが、提供エリア内に住んでいるなら、光回線の中でもかなり優秀な選択肢です。

▼ 電力系光回線の詳細については、こちらの記事で詳しくまとめました。

よくある質問(FAQ)|光回線が遅いときの疑問を解決

ここでは、光回線が遅くなったときによくある質問や誤解されやすいポイントをQ&A形式でまとめています。

Wi-FiやIPv6のこと、速度の目安、時間帯ごとの違いなど、気になる疑問がある方はぜひチェックしてみてください。

光回線が遅いのはWi-Fiが原因?有線なら速くなる?

はい。有線接続のほうが通信が安定しやすく、速度も出やすくなります。Wi-Fiは距離や干渉の影響を受けやすいため、遅くなることがあります。

IPv6に切り替えても速度が改善しないのはなぜ?

プロバイダやルーターがIPv6に対応していない、または設定が無効になっている可能性があります。契約内容とルーターの対応状況を確認してみましょう。

10ギガプランにすれば必ず速くなる?

いいえ。回線が10ギガでも、ルーターやパソコンが対応していなければ速度は出ません。対応機器やLANケーブルの確認が必要です。

夜だけ遅いのはなぜ?プロバイダの問題?

はい。夜間は多くの人がインターネットを使うため、回線やプロバイダが混雑しやすくなります。混雑に強い回線や、IPv6対応のプロバイダに切り替えるのが効果的です。

光回線の速度はどれくらい出ていれば快適?

一般的なネット利用なら、下り(ダウンロード)の速度が50〜100Mbpsあれば十分です。動画視聴やオンライン会議も、安定していれば問題なく使えます。

まとめ|光回線が遅いときは段階的な見直しがポイント

光回線が遅いと感じたとき、原因はひとつではなく、回線・機器・設定・時間帯などさまざまな要因が絡み合っています。

いきなり回線を乗り換えるのではなく、まずはIPv6の設定やルーター・Wi-Fi環境を見直すことから始めるのがおすすめです。

それでも改善しない場合は、回線そのものに限界がある可能性もあるため、NURO光や電力系回線などへの切り替えも検討してみてください。

HIRO

快適なネット環境は、段階的なチェックと冷静な判断から実現できます。

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▼ マンション特有の遅さになんでいる方は、こちらも参考にどうぞ。

▼ 速度が速い光回線を比較したい人はこちら。

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