なぜ光回線なのに通信速度が遅いのか?原因と対策をプロが徹底解説!

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なぜ光回線なのに通信速度が遅いのか?

光回線を利用してるのに通信速度が遅い場合には、どんな対策が有効ですか?

そんな疑問に回答していきます。

近年、テレワークやオンライン授業、動画視聴やオンラインゲームの影響で、インターネットの利用率は年々増加傾向にあります。

それに伴い、インターネットの快適さも求められるようになったため、光回線の通信速度を重視する人たちも増えてきています。

しかしその一方、急増するユーザーに対応できない光回線では通信速度が遅くなってしまい、〇〇光は速度が遅い!という口コミも‥。

そこで本記事では、光回線の現役営業マンの筆者が、光回線の通信速度が遅い場合の対策について詳しく解説していきます。

光回線の速度が遅くてイライラする!という人は、ぜひ本記事を最後までご覧いただき、快適なネット環境を整えてください。

筆者のプロフィール

ヘッドバンドを付けている少年

HIRO

マンションオーナーや管理会社向けに、光回線を提案している業界15年目の営業マンです。全国各地の光回線に携わり、業界の最新情報や裏事情などにも熟知。当メディアでは他サイトでは絶対に手に入らない、光回線のお得な情報や裏ワザなどをご紹介します。

目次

光回線なのに速度が遅い原因とは?

光回線が遅い原因とは?

光回線なのに速度が遅い原因には、自宅のネットワーク環境に問題があると考えられます。

どこか1つでも問題があればネットワーク全体に影響が出てしまうため、原因を取り除かない限りは速度の改善が見られません。

そこで考えられる速度が遅い原因をピックアップしますので、自宅のネットワーク環境と照らし合わせて確認してみてください。

通信速度の目安や基準について詳しく知りたい人は、こちらの関連記事もおすすめです。

原因①:Wi-Fiルーターが古い

一般的に利用されているWi-Fiルーターには、モバイル回線の4Gや5Gと同様に、販売された時期によって通信規格が定められています。

規格通称最大通信速度
IEEE802.11beWi-Fi736Gbps
IEEE802.11axWi-Fi69.6Gbps
IEEE802.11acWi-Fi56.9Gbps
IEEE802.11nWi-Fi4600Mbps
IEEE802.11g54Mbps
IEEE802.11b11Mbps
IEEE802.11a54Mbps
無線LAN(Wi-Fi)の規格

仮にお使いのWi-Fiルーターが古い場合には旧規格のサポートしかされないため、1Gbpsの光回線を利用した場合でも速度は遅くなります。

光回線が遅いと感じたら、1度利用しているWi-Fiルーターの規格を確認してみましょう。

型番で検索して、製品情報・スペックで確認できます。

原因②:接続するWi-Fiを間違えている

1台のWi-Fiルーターからは、2.4GHzと5GHzの2種類の周波数の電波が発信されています。

2つの周波数にはそれぞれにSSIDが設定されており、接続するSSIDによってはWi-Fi接続時の速度が遅くなる原因にも繋がります。

周波数特徴
2.4GHz電波が遠くまで届く
壁や家具の影響を受けづらい
通信速度が遅い
家電の影響を受けやすい
5GHz通信速度が速い
家電の影響を受けづらい
電波が遠くまで届かない
壁や家具の影響を受けやすい
周波数の違いと特徴

光回線が遅いと感じた場合には、1度接続しているWi-Fiの周波数を確認してみましょう。

SSIDは、Wi-Fiルーター本体のラベルに記載があります。

原因③:LANケーブルが古い

ONU(回線終端装置)とWi-Fiルーターを接続したり、有線接続をする場合に利用するLANケーブルについても注意が必要です。

Wi-Fiルーターと同様に、LANケーブルにも通信規格が定められており、カテゴリーによって最大通信速度と伝送帯域が異なっています。

スクロールできます
カテゴリー最大通信速度伝送速度ケーブルの種類
カテゴリー5100Mbps100MHzUTP
カテゴリー5e1Gbps100MHzUTP
カテゴリー61Gbps250MHzUTP
カテゴリー6A10Gbps500MHzUTP
カテゴリー710Gbps600MHzSTP
カテゴリー7A10Gbps1000MHzSTP
カテゴリー840Gbps2000MHzSTP
LANケーブルのカテゴリーとスペック

光回線の速度が遅い場合には、お使いのLANケーブルのカテゴリーを確認してみましょう。

カテゴリーは、LANケーブル本体に印字されています。

カテゴリーが印字されている場所

LANケーブルのカテゴリーが印字されている場所

原因④:パソコンやスマホが古い

Wi-FiルーターやLANケーブル同様に、パソコンやスマホにも通信規格が定められています。

Wi-Fiで利用している場合

Wi-Fi接続でパソコンやスマホを利用するなら、対応のWi-Fi規格を確認しておきましょう。

パソコンやスマホの型番から対応規格の確認ができます。

iPhoneの世代ごとに対応している、Wi-Fi規格をまとめておきます。

世代無線LAN規格
iPhone1611ax(Wi-Fi6)
iPhone1511ax(Wi-Fi6)
iPhone1411ax(Wi-Fi6)
iPhone1311ax(Wi-Fi6)
iPhone1211ax(Wi-Fi6)
iPhone1111ax(Wi-Fi6)
iPhoneⅩ11ac(Wi-Fi5)
iPhone811ac(Wi-Fi5)
iPhoneの世代と無線LAN規格

有線接続で利用している場合

有線接続で利用しているなら、LANポートが対応している通信規格を確認してください。

1000BASE-T1Gbps対応
10GBASE-T10Gbps対応
有線LANの規格

LAN規格も各種スペックの有線規格で確認できます。

原因⑤:同時接続している台数が多い

家族全員で同時に光回線を利用している場合には、ONUやルーターにアクセスが集中するので、速度が遅い原因となります。

SNSやウェブサイトの閲覧程度であれば同時接続しても問題ありませんが、テレワークや動画視聴、ゲームの場合には注意が必要です。

洗濯機とお風呂を同時に利用すると、蛇口の水圧が弱くなるのと同じ原理ですね。

水道の原理と同じように、データ量が多いコンテンツを利用する時間帯が被っている場合は、通信速度も遅くなってしまいます。

原因⑥:セキュリティソフトが干渉し合っている

光回線なのに速度が遅い原因には、セキュリティソフトが干渉していることも考えられます。

例えば、すでにセキュリティソフトが入っているにも関わらず、別のセキュリティソフトを入れてしまうとお互いが干渉し合います。

セキュリティソフトが干渉し合うことで通信速度に影響が出てしまうため、利用するセキュリティソフトは1つに絞りましょう。

Windowsなら、PC→アプリでインストールしているソフトの確認ができます。

原因⑦:PPPoE(IPv4)で接続している

ここ最近、テレワークや動画コンテンツが充実してきたことにより、インターネットの利用者数は増加傾向にあります。

これは世界的に見てもインターネットの利用者数は増えてきており、通信接続に必要なIPアドレスも枯渇してしまいました。

IPv4のIPアドレスは43億個なので、世界人口をカバーし切れていないんです。

また従来のPPPoE接続では、ネットワーク終端装置を必ず通過するため、光回線の利用者数が増えれば回線混雑が起きやすくなります。

PPPoE接続のイメージ

PPPoE接続のイメージ

光回線なのに速度が遅いと感じたら、接続方式の確認をしておきましょう。

≫ 接続環境の確認はこちら

IPv4しか表示されていなかったら、PPPoE接続が利用されていることになります。

原因⑧:VDSL方式で供給されている

マンションで光回線の速度が遅い場合には、配線方式を確認してみましょう。

配線方式の確認は、インターネット用のケーブルをコンセントプレートのどこに挿しているかで判断することができます。

光コンセント光配線方式
LANジャックLAN配線方式
TELジャックVDSL方式

光コンセントとは?

光コンセント

光配線方式とLAN配線方式では、最大通信速度が1Gbpsで利用できますが、VDSL方式の場合には最大100Mbpsでしか通信ができません。

配線方式最大通信速度
光配線方式10Gbps
LAN配線方式1Gbps
VDSL方式100Mbps
配線方式と最大通信速度

※光配線方式は、10Gbpsを利用したときの最大通信速度

VDSL方式は光ファイバーが通せない、古い建物で運用されていることが多いです。

VDSL方式をもっと詳しく知りたい人は、こちらの関連記事もご確認ください。

原因⑨:プロバイダが輻輳している

最後に光回線なのに速度が遅い原因として、プロバイダが利用者数に耐え切れず、輻輳(パンク)していることが挙げられます。

例えるなら長期休暇の高速道路のように、料金所(プロバイダ)で車(通信)が詰まってしまい、長蛇の渋滞が起きている現象です。

総務省発表のインターネットにおけるトラヒックの集計結果を見ると、2016年頃から急激にトラヒック量が増加しています。

インターネットトラヒックの推移
引用:総務省「トラヒックの集計結果」

増え続けるトラフィックへの対策が遅れているプロバイダでは回線混雑が発生し、ユーザーに供給する光回線の速度も遅くなります。

インターネットのトラヒックは、今後ますます増加してくることが予想できます。

光回線の速度が遅い時の対策とは?

光回線が遅いときの対策

光回線が遅いと、テレワークの仕事がはかどらない・動画の読み込み時間が長くなるなど、良いことはありません。

そこで、少しでも光回線の速度が速くなる対策を紹介していきます。

対策①:5GHzのSSIDと接続する

Wi-Fiルーターの規格が問題なければ、5GHzのSSIDと接続するようにしてください。

実際に2.4GHzと5GHzのSSIDを使い分けて速度測定をしたところ、5GHzの方が約10倍も速度が速いことがわかりました。

周波数速度実測値
5GHz539.90Mbps
2.4GHz58.41Mbps
周波数別 通信速度の違い

2.4GHzから5GHzへの変更は、5GHzのSSIDを選び直すだけで、簡単に切替できます。

SSID周波数
〇〇〇〇-A
〇〇〇〇-5G
5GHz
〇〇〇〇-G
〇〇〇〇-2G
2.4GHz

Wi-Fiルーターの近くでネット接続するなら、5GHzが断然おすすめです!

Wi-FiルーターのSSIDについて詳しく知りたい人は、こちらの関連記事もご確認ください。

対策②:Wi-Fiルーターを買い替える

Wi-Fiルーターの規格が古ければ、以下の規格に対応したものに新調しましょう。

光回線の速度推奨ルーター
1Gbps11ac(Wi-Fi5)対応ルーター
10Gbps11ax(Wi-Fi6)対応ルーター

利用している光回線の速度によって、Wi-Fiルーターに求められるスペックが異なります。

価格も全然違うので、1Gbpsの光回線だったら、1世代下の11acでも十分です。

Wi-Fiルーターの選び方について詳しく知りたい人は、こちらの関連記事でご確認ください。

対策③:LANケーブルを新調する

LANケーブルのカテゴリーが古ければ、以下の規格のものに新調するのがおすすめです。

光回線の速度推奨ルーター
1GbpsCAT5eもしくはCAT6
10GbpsCAT6A以上

1GbpsであればCAT5e・CAT6で対応できますが、10GbpsであればCAT6Aは必須になります。

1Gbpsから10Gbpsに切り替える場合には、LANケーブルも買い替え必須です。

LANケーブルについて詳しく知りたい人は、関連記事もあわせて確認してください。

対策④:接続方式をIPv6に変更する

光回線が遅いときの対策4つ目は、接続方式をIPv6に変更しましょう。

接続方式をIPv6にすることで、通信の混雑を避けるルートを自動的に選び、渋滞に巻き込まれなくなります。

さらに従来のIPv4接続では、世界的な人口増によりIPアドレスも枯渇してきており、いずれは対策が必要になります。

総務省もIPv6の普及促進を表明しています。

IPv4とIPv6の速度の違いについては、こちらの記事に詳しくまとめました。

対策⑤:プロバイダを変更する

光回線の中には、プロバイダを変更できるものがあります。

プロバイダが変更できる光回線
  • フレッツ光
  • ドコモ光

光回線の通信速度が遅いと感じる場合には、プロバイダを変更してみることも対策の1つです。

仮に通信速度が遅くなっている原因がプロバイダだった場合には、プロバイダを変更することで通信速度の改善が見込めます。

ただし、プロバイダと一体型の光回線ではプロバイダの変更ができないため、フレッツ光もしくはドコモ光を利用している場合に限られます。

auひかりでプロバイダを変更するには、auひかりを1度解約する必要があります。

対策⑥:戸建てタイプを契約する

マンションタイプを利用している場合には、戸建てタイプの切り替えで速度が改善する場合があります。

戸建てタイプは電柱から直接光ファイバーが引き込まれるため、あなた1人で光ファイバーを独占することができます。

そのため、建物内にヘビーユーザーがいた場合でも影響を受けることなく、快適な通信速度でインターネットが利用できるでしょう。

また、マンションタイプでは最大100MbpsまでのVDSL方式だった場合でも、戸建てタイプでは確実に光配線方式が利用できます。

毎月の料金はマンションタイプよりも高くなってしまいますが、通信速度を速くしたい場合には戸建てタイプの利用がおすすめです。

戸建てタイプを契約するなら、事前に管理会社からの許可を取っておきましょう。

対策⑦:光回線を乗り換える

光回線の通信速度を改善させる最も有効な手段は、新しい光回線に乗り換えてしまうことです。

光回線自体に障害が発生している場合には、上記対策を実施しても根本的な解決にはなりません。

スマホセット割を利用している場合には注意が必要ですが、通信速度を改善したいなら光回線の乗り換えも検討してみてください。

ただし、ドコモ光やソフトバンク光などの光コラボを利用している場合には、他社光コラボへ乗り換えても大幅な改善は見られません。

光コラボではフレッツ光が利用されているので、光コラボで乗り換えても、プロバイダしか変更されていません。

そのため、NURO光やauひかり、電力系光回線などの独自回線への乗り換えがおすすめです。

よくある質問

光回線の通信速度が遅い場合の対策について、よくある質問をまとめました。

どうして最大通信速度の1Gbpsが利用できないんですか?

光回線はベストエフォート型のため、最大1Gbpsは理論上の速度になります。実際の通信速度については、利用エリアや時間帯によって大きく異なります。

光回線を10ギガに切り替えれば、通信速度は速くなりますか?

光回線を10ギガに切り替えても、PCやルーターが1ギガ対応だったら速度実測値は速くなりません。10ギガの光回線を利用する場合には、10ギガ対応のPCやルーターを用意してください。

IPv6接続を利用するには、オプション契約が必要ですか?

基本的に、IPv6接続は無料で利用できます。ただし、IPv6対応のルーターが必要になるので、未対応のルーターだった場合には買い替えが必要です。

ただし、ソフトバンク光でIPv6接続を利用するには、光BBユニットとWi-Fiマルチパックの契約が必要になります。

マンションタイプより戸建てタイプの方が、速度実測値は速くなりますか?

戸建てタイプは光ファイバーを占有できるため、理論上では通信速度が速くなります。ただし、集合住宅で戸建てタイプを利用する場合には、管理会社の承諾が必要になります。

VDSL方式のマンションタイプでは、1ギガを利用できませんか?

VDSL方式では、最大100Mbpsまでしか利用できません。1ギガを利用したい場合には、他社光回線もしくは戸建てタイプに切り替える必要があります。

まとめ

光回線の通信速度が遅い場合には、以下7つの対策が有効です。

光回線の速度が遅い場合の対策
  • 5GHzのWi-Fiに接続する
  • 速度にあわせたルーターを利用する
  • LANケーブルの対応速度も確認する
  • 最新のIPv6接続を利用する
  • プロバイダを変更してみる
  • 戸建てタイプを利用する
  • 光回線自体を乗り換える

光回線の通信速度を快適に利用するには、自宅のネットワーク環境を整える必要があります。

そのため、お使いの機器が光回線の速度に対応しているか、接続しているWi-Fiに誤りがないかを確認してみましょう。

もし自宅のネットワーク環境に問題がなかった場合には、プロバイダや光回線の乗り換えも検討する必要があります。

光回線を乗り換える場合には、独自の光回線が利用され、通信速度が速いNURO光やauひかり、電力系光回線がおすすめです。

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