光回線を使っているのにネットが遅い!という人は、自宅のネット環境に何らかの不具合を抱えている可能性があります。
根本的に光回線自体が遅い場合も考えられますが、Wi-Fiルーターや接続方法によっても、光回線の速度は遅くなってしまいます。

でもネットの知識もないし、何を確認すればいいの?
そこで本記事では、光回線が遅くなる理由と対策について、わかりやすくまとめてみました。
「光回線が遅くて、いつもイライラしている!」「光回線の速度を何とか改善したい!」という人は、ぜひ最後までお付き合いください。


マンションISP(ネット無料)の通信会社に14年間勤めているサラリーマンです。仕事で培った通信の知識を活かして、本ブログで情報発信をしています。
光回線が遅い!と感じたときに、確認しておきたいこと


光回線が遅いと感じた場合に、まず最初に確認しておきたいことを解説します。
- 自宅の光回線の速度実測値
- コンテンツごとに必要な速度
自宅の光回線の速度実測値を確認する
光回線が遅いと感じたときは、まずは自宅で利用できる速度の実測値を確認してみましょう。
速度の実測値を調べるのは、あなたの自宅でどれくらいの速度が出ているのかを知るためです。



仮に1ギガの光回線で契約していても、実際に使える速度は1ギガよりも遅くなります。
速度の実測値は、NETFLEXが提供する速度測定サイトで無料で調べることができます。


まずはダウンロード(下り)の速度が測定され、さらに「詳細を表示」でアップロード(上り)の速度とレイテンシ(反応速度)を確認できます。
この測定された速度が、あなたの自宅で利用できる通信速度ということになります。
コンテンツごとに必要な速度を確認する
次に、あなたがよく利用するコンテンツに必要な速度も確認しておきましょう。
コンテンツごとに必要な速度が違うので、次のリストで確認してください。
コンテンツ | 通信速度の目安 |
---|---|
メール・LINE | 1~2Mbps |
SNS・ウェブ閲覧 | 1~30Mbps |
ネット動画 | 10~50Mbps |
ビデオチャット | 10~50Mbps |
オンラインゲーム | 30~100Mbps |



オンラインゲームをやらなければ、テレワークもネット動画も30Mbpsあれば十分速いんだね!
仮にオンラインゲームをする人でも、速度実測値が100Mbps以上あれば十分対応は可能です。
しかし速度実測値が30Mbpsを下回る場合には、ネット環境の改善が必要だと言えます。



ちなみにオンラインゲームをする人であれば、pingやレイテンシの値にも注意しておきましょう。
評価 | 反応速度 |
---|---|
かなり速い | 0~15ms |
速い | 16~30ms |
普通 | 31~50ms |
遅い | 51~100ms |
かなり遅い | 101ms以上 |
光回線が遅い原因5つとは?自宅のネット環境を確認してみましょう


光回線が遅くなる原因はいくつかありますが、ここでは代表的な例を5つ挙げておきます。
光回線が遅い場合には、1度自宅のネット環境を確認してみてください。
遅い原因①:VDSLや同軸ケーブルで光回線が提供されている
光回線が遅い原因の1つ目は、電話ケーブルを利用したVDSLやテレビの同軸ケーブルが使われていることが挙げられます。
光回線が1Gbpsで提供されるには、部屋のコンセントまで光回線であることが条件ですが、古い建物の場合には既設の電話ケーブルやテレビケーブルで代用されている場合があります。
配線方式 | 下りの最大速度 | 上りの最大速度 |
---|---|---|
光回線 | 1Gbps | 1Gbps |
LAN | 1Gbps | 1Gbps |
VDSL | 100Mbps | 100Mbps |
テレビ | 320Mbps | 10Mbps |



光回線を契約しても、途中のケーブルが光ファイバーでないと、1Gbpsは出せません。
光配線方式とVDSL方式の違いは、こちらの記事に詳しくまとめました。


遅い原因②:Wi-Fiルーターの型式が古い
光回線が遅い原因の2つ目は、Wi-Fiルーターの型式が古いことが挙げられます。
Wi-Fiにもスマホの5Gなどと同様に規格が振り分けられていて、最新型と10年前のルーターでは出せる速度が異なります。
規格 | 世代 | 最大通信速度 |
---|---|---|
IEEE802.11ax | Wi-Fi6 | 9.6Gbps |
IEEE802.11ac | Wi-Fi5 | 6.9Gbps |
IEEE802.11n | Wi-Fi4 | 600Mbps |



1Gbpsの光回線を使っていても、11n(Wi-Fi4)のルーターだったら、最大600Mbpsまでしか出せません。
遅い理由③:2.4GHz帯のWi-Fiを接続している
光回線が遅い原因の3つ目は、2.4GHz帯のWi-Fiと接続していることが挙げられます。
Wi-Fiには5GHzと2.4GHzの2種類の周波数があり、接続する周波数によって速度が大きく異なります。
周波数 | 速度実測値 |
---|---|
5GHz帯 | 539.90Mbps |
2.4GHz帯 | 58.41Mbps |



2.4GHz帯のWi-Fiは、IoT家電につなげるためのものです。
遅い原因④:LANケーブルの規格(カテゴリー)が古い
光回線が遅い原因の4つ目は、LANケーブルの規格(カテゴリー)が古いことが挙げられます。
LANケーブルにもWi-Fi同様に規格があり、古い規格のものを使っていれば速度は遅くなります。
規格 | 最大通信速度 | 伝送帯域 |
---|---|---|
カテゴリー5 | 100Mbps | 100MHz |
カテゴリー5e | 1Gbps | 100MHz |
カテゴリー6 | 1Gbps | 250MHz |
カテゴリー6A | 10Gbps | 500MHz |
カテゴリー7 | 10Gbps | 600MHz |
カテゴリー7A | 10Gbps | 1000MHz |
カテゴリー8 | 40Gbps | 2000MHz |



ONUとWi-Fiルーターをつないでいる、LANケーブルの規格(カテゴリー)も確認しましょう。
遅い原因⑤:光回線が輻輳(パンク)している
光回線が遅い原因の5つ目は、自宅周辺の利用者が多く、光回線が輻輳(パンク)していることが挙げられます。
光回線は利用料を安くするために、1本の光ファイバーを周辺エリアで共有利用しています。
そのためユーザーが増えれば増えるほど混雑度が高まるため、速度が遅くなっていきます。



「インターネット トラフィックの推移」で、利用率の推移が確認できます。
光回線が遅いときの対策とは?快適なネット環境を作りましょう


光回線が遅いと、テレワークの仕事がはかどらない・動画の読み込み時間が長くなるなど、良いことはありません。
そこで、少しでも光回線の速度が速くなる対策を紹介していきます。
対策①:マンションだったら戸建てタイプを契約する
光回線が遅いときの対策1つ目は、マンションでも戸建てタイプの光回線を契約しましょう。
戸建てタイプで契約することで、建物内の共有設備を利用せず、直接光ファイバーがあなたの部屋まで引き込まれます。
光回線をあなた一人で専有できるので、建物内の利用者の影響は受けなくなります。
またVDSL方式や同軸ケーブルを利用しないため、確実に1Gbpsで光回線が提供されます。



ただし戸建てタイプで契約する前に、管理会社に許可を取っておく必要があります。


対策②:Wi-Fiルーターを1Gbps対応のものに交換する
光回線が遅いときの対策2つ目は、Wi-Fiルーターを1Gbps対応のものに交換しましょう。
Wi-Fi規格が11n(Wi-Fi4)のルーターを使っているなら、11ac(Wi-Fi5)に交換するだけで速度の改善が見込めます。
規格 | 世代 | 最大通信速度 |
---|---|---|
IEEE802.11ax | Wi-Fi6 | 9.6Gbps |
IEEE802.11ac | Wi-Fi5 | 6.9Gbps |
IEEE802.11n | Wi-Fi4 | 600Mbps |



10ギガの光回線を使うなら、11ax(Wi-Fi6)が必須です。
Wi-Fiルーターの選び方については、こちらの記事に詳しくまとめました。


対策③:5GHz帯のWi-Fiと接続する
光回線が遅いときの対策3つ目は、5GHz帯のWi-Fiと接続しましょう。
先ほども説明しましたが、5GHz帯と2.4GHzでは速度が約10倍も違います。
周波数 | 速度実測値 |
---|---|
5GHz帯 | 539.90Mbps |
2.4GHz帯 | 58.41Mbps |
2.4GHzから5GHzの切り替えは、接続するWi-FiのSSIDを変更するだけです。
SSID | 周波数 |
---|---|
〇〇〇〇-A 〇〇〇〇-5G | 5GHz |
〇〇〇〇-G 〇〇〇〇-2G | 2.4GHz |



パソコンやスマホなら、5GHzだけ登録しておけばOKです。
Wi-FiのSSIDについては、こちらの記事に詳しくまとめました。


対策④:LANケーブルを1Gbps対応のものに交換する
光回線が遅いときの対策4つ目は、LANケーブルを1Gbps対応のものに交換しましょう。
1Gbpsの光回線であれば、カテゴリー6への交換がおすすめです。
規格 | 最大通信速度 | 伝送帯域 |
---|---|---|
カテゴリー5 | 100Mbps | 100MHz |
カテゴリー5e | 1Gbps | 100MHz |
カテゴリー6 | 1Gbps | 250MHz |
カテゴリー6A | 10Gbps | 500MHz |
カテゴリー7 | 10Gbps | 600MHz |
カテゴリー7A | 10Gbps | 1000MHz |
カテゴリー8 | 40Gbps | 2000MHz |



どこか1か所でもカテゴリー5を使っているなら、今すぐ交換しちゃいましょう。
LANケーブルの選び方については、こちらの記事に詳しくまとめました。


対策⑤:接続方式をIPv6に変更する
光回線が遅いときの対策5つ目は、接続方式をIPv6に変更しましょう。
接続方式をIPv6にすることで、通信の混雑を避けるルートを自動的に選び、渋滞に巻き込まれなくなります。
さらに従来のIPv4接続では、世界的な人口増によりIPアドレスも枯渇してきており、いずれは対策が必要になります。



総務省もIPv6の普及促進を表明しています。
IPv4とIPv6の速度の違いについては、こちらの記事に詳しくまとめました。


まとめ
光回線が遅い原因と対策をまとめました。
- 部屋のコンセントまで光回線でないと、1Gbpsは出せない
- Wi-FiやLANケーブルの規格が古ければ、光回線の速度が落ちる
- Wi-Fiに接続するときは、5GHz帯のSSIDを選択する
- マンションタイプが遅いなら、戸建てタイプにも切り替えられる
- 夜間帯などで混雑を避けるなら、接続方式をIPv6に変更する
光回線が遅いと思ったら、まずは測定サイトで実測値を調べてみましょう。
調べた結果が100Mbps以上であれば、対策の必要はありません。
100Mbps以下がずっと続くようであれば、本記事を参考にして原因を確認し、対策を打つことをおすすめします。



光回線を乗り換える前に、まずは機器やケーブルの確認をしてみてくださいね。
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