【検証】IPv4とIPv6の速度の違い【実際の測定結果を比較】

IPv4とIPv6の速度の違い

在宅勤務やテレワークの普及に伴って、光回線の需要は今後ますます増加していくと予想されています。

しかし光回線の利用者が増えることで、回線混雑による速度遅延も目立つようになってきました。

回線遅延の対策として、従来のIPv4からIPv6の移行が注目されていますが、実際に速度はどれくらい変わるのでしょう?

そこで本記事では通信会社に勤める私ひろぽんが、実際の検証結果とあわせて、IPv4とIPv6の速度に違いについて解説していきます。

この記事がおすすめの人
  • 光回線の速度が安定していないので、何か対策がないか探している
  • IPv4とIPv6の速度の違いが実際にどれくらいあるのか知りたい
  • IPv4からIPv6に切り替えるときに必要なことを知りたい
目次

IPv4とIPv6の速度の違いはどれくらい?

ストップウォッチでタイムを測定する女性

IPv4とIPv6の速度に、どれくらい違いがあるのかを検証してみました。

光回線NURO光
エリア横浜市
測定機器iPhone13Pro
接続周波数5GHz帯
測定サイトみんなのネット回線速度
IPv4とIPv6の検証条件

ダウンロード(下り)の速度の違い

ダウンロード(下り)速度の違いを比較します。

時間帯IPv4
単位:Mbps
IPv6
単位:Mbps
11時513.68578.77
13時516.19592.34
15時527.36585.00
17時531.95592.94
19時574.02581.56
21時537.66548.27
23時507.70587.67
平均529.79580.93
IPv4とIPv6の速度比較(ダウンロード)

IPv4よりもIPv6の方が、速度実測値が速いことがわかります。

検証回線が独自回線のNURO光なので、どの時間帯でもあまり速度が変わりませんでした。

NTT系の光コラボだと夕方から夜にかけて、混雑で速度が遅くなる傾向にあります。

アップロード(上り)の速度の違い

アップロード(上り)速度の違いを比較します。

時間帯IPv4
単位:Mbps
IPv6
単位:Mbps
11時349.82430.63
13時458.31350.05
15時344.09344.28
17時467.18338.22
19時346.27327.91
21時452.43380.50
23時433.00420.73
平均407.31370.33
IPv4とIPv6の速度比較(アップロード)

上りに関しては、IPv4とIPv6による違いはあまり確認できませんでした。

むしろIPv4の方が速い傾向にありますが、上りの速度は速くなくても問題ないので、あまり気にしなくてもいいでしょう。

上りはインターネット上に情報を送信するときに利用します。普段は下りだけを意識しても問題ありません。

Ping値(反応速度)の違い

Ping値(反応速度)の違いを比較します。

時間帯IPv4
単位:ms
IPv6
単位:ms
11時6.05.0
13時7.05.0
15時6.05.0
17時7.06.0
19時6.05.0
21時8.05.0
23時6.05.0
平均6.45.14
IPv4とIPv6の速度比較(反応速度)

Ping値においても、IPv4よりIPv6の方が速いことがわかりました。

FPSなどのオンラインゲームをやる人は、IPv6にしておきたいですね。

Ping値は反応速度を示す値です。数字が小さいほどラグが少ないことを意味します。

なぜIPv4とIPv6では速度に違いが出るのか?

2進数

IPv4と比べてIPv6は速いと言われますが、光回線の速度が上がるわけではありません。

IPv6は混雑しているルートを避けることができるため、速度が維持できるというわけです。

ここでは、IPv4とIPv6の速度に違いが出る理由について解説します。

IPv4とIPv6では接続方式が異なる

IPv6とIPv4の違い

IPv4とIPv6の速度に違いが出る理由1つ目は、接続方式が異なることが挙げられます。

IPv4の接続方式

IPv4接続はPPPoE方式が採用され、光回線とプロバイダの接続点を通過する必要があります。

この接続点を通過するときに他ユーザーの影響を受け、速度が減速してしまいます。

車線の少ない高速道路+料金所で渋滞が発生しているイメージです。

IPv6の接続方式

IPv6接続はIPoE方式が採用され、光回線とプロバイダの接続点がありません。

接続点を介さないため、他ユーザーの影響を極限まで抑えることが可能になります。

車線が多い高速道路+料金所がないため渋滞が起きていないイメージです。

IPv4とIPv6ではIPアドレスの数が異なる

IPv4とIPv6の速度に違いが出る2つ目の理由は、IPアドレスの数が異なることが挙げられます。

IPv4のIPアドレスの数

IPv4のIPアドレスは2進数の32ビットで構成されており、IPアドレスの数は約43億個です。

IPv4は世界的な人口の増加(70億人を突破)により、IPアドレスの枯渇が懸念されています。

IPv6のIPアドレスの数

IPv6のIPアドレスは2進数の128ビットで構成されており、IPアドレスの数は約340澗です。

IPv6のIPアドレスを全人口一人ひとりに1兆個ずつ割り振っても、使用率は0.00000001%にも満たないため、IPアドレスの枯渇を心配する必要がなくなります。

IPv4からIPv6に変更するときに何が必要なのか?

チェンジと書かれた青い矢印

光回線の速度を少しでも速度を改善したいなら、IPv6接続に切り替えをおすすめします。

IPv6接続に切り替えるときには、いくつかの変更点があるので注意しましょう。

IPv6オプションに申し込む必要がある

IPv6接続を利用したい場合には、プロバイダのIPv6オプションに加入する必要があります。

IPv6の料金無料・申し込み不要の光回線もありますが、一部の光回線ではIPv6対応に条件や追加費用が必要です。

光回線料金条件
ドコモ光無料一部プロバイダには
申し込みが必要
auひかり無料特になし
ソフトバンク光無料光BBユニット
(550円/月)
NURO光無料特になし
楽天ひかり無料特になし
enひかり198円別途申し込み
おてがる光165円別途申し込み

IPv6対応のWi-Fiルーターが必要になる

IPv6接続には、IPv6に対応したWi-Fiルーターが必要になります。

IPv6未対応のWi-Fiルーターを使っているなら、この機会にWi-Fiルーターを買い替えましょう。

一人暮らしにおすすめのWi-Fiルーター

一人暮らしでコストを抑えたい人なら、コチラのWi-Fiルーターで十分です。

型番WG1200HP4
メーカーNEC
規格11ac(Wi-Fi5)
最大速度5GHz帯:867Mbps
2.4GHz帯:300Mbps
アンテナ数5GHz帯:2×2
2.4GHz帯:2×2

家族で使う場合のおすすめWi-Fiルーター

家族みんなでネットを使うなら、コチラのWi-Fiルーターがおすすめです。

型番WG2600HM4
メーカーNEC
規格11ac(Wi-Fi5)
最大速度5GHz帯:1733Mbps
2.4GHz帯:800Mbps
アンテナ数5GHz帯:4×4
2.4GHz帯:4×4

Wi-Fiルーターの失敗しない選び方は、こちらの記事に詳しくまとめました。

まとめ

IPv4とIPv6についてまとめました。

本記事のまとめ
  • IPv4よりIPv6の方が速度実測値が速い
  • 反応速度(Ping値)もIPv6の方が速い
  • IPv4とIPv6は接続方式が違い、IPアドレスの絶対数も違う
  • IPv6接続に切り替えには、プロバイダによって条件が違う
  • IPv6接続を使うには、IPv6対応のWi-Fiルーターが必要

今回検証したNURO光は独自回線のため、元々が混雑しづらくIPv4でも十分速い結果と言えます。

しかしそれでもIPv4とIPv6の速度には違いが出たため、共有回線の光コラボではその差はさらに大きくなることが予想できます。

最大100Mbpsまでしか出せないVDSL方式であれば、IPv6接続は必須と言えます。

光回線の速度を改善したいなら、IPv6接続への切り替えがおすすめです。

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